【大紀元日本6月19日】スウェーデン議会は17日、世界に先駆けて打ち出した「脱原発」を目指す政策方針を30年ぶりに転換し、来年から老朽化した原発の建て直しを認める法案を賛成174、反対172の僅差で可決した。
1980年の国民投票の結果を受け、原発炉を2010年までに全廃すると決めていた。これまで2基を閉鎖し、現在は10基が残るが、1997年から閉鎖期限の撤廃など方向転換をしていた。
ラインフェルト首相率いる中道右派政権は昨年2月、地球温暖化問題などを理由に原発を利用する政策を発表した。カールグレン環境相は「地球温暖化問題に加え、メキシコ湾の原油流出事故が起きた。石油への依存度を減らさなければならない」と語った。
スウェーデンでは9月に総選挙を控えており、原発に反対の姿勢を示す中道左派野党は「政権を獲得すれば新法を無効化する」と主張している。
(佐渡)