【大紀元日本1月5日】記録的な洪水に見舞われたオーストラリア北東部で、炭鉱や畜産、農作物への被害額は90豪ドルに及んでいる。米ABCによると、特に同国最大の石炭埋蔵地域であるクイーンズランドでは炭鉱が相次いで生産停止となった。カナダ・ロイヤル銀行は4日、洪水被害によりオーストラリアのGDPは0.5%~0.7%ほど押し下げられると予想した。
米ABCによると、少なくとも40の炭鉱が浸水のため一時生産停止となったため、輸出が止まり、石炭の国際価格が値上がりした。また米紙エコノミストは、停止に追い込まれた炭鉱の年間生産能力は合計9000万トン以上となり、これは前年比の石炭輸出量の35%に相当する。オーストラリアは世界最大の鉄鋼原料用石炭(原料炭)輸出国で、世界の輸出量の半分以上を占める。
洪水の被害は、クイーンズランド州ではこの50年間で最悪とされ、主要産品である石炭の生産・輸出や、綿花や砂糖など農業への影響が懸念されている。
同国財務省スポークスマン、ジョー・ホッケー氏は、「年初めのこの季節には毎年、洪水や干ばつなど自然災害にが起こるが、オーストラリアは(損失)をまかなえる力が十分ある」と会見でメディアに答えている。「豪経済は洪水被害に起因するいかなる損失にも耐えうる」とホッケー氏は今回の経済的損失についての見解を述べた。