【大紀元日本2月28日】反体制派デモをきっかけに政府側との衝突から内紛状態にある北アフリカ・リビアでは、最高指導者カダフィ大佐側の率いる外国人傭兵らが、抗議者に対して弾圧行為を加えている。仏AFP通信などによると、暴力から逃れるため、これまでにチェニジア人ら外国人労働者ら5万人以上が陸海空路でリビアから脱出した。
英国はリビヤに軍用機を派遣し150人を避難させ、中国は軍艦やフェリーなどで2500人を地中海のマルタ島へ送っている。中国政府はリビアにいた3万3千人の中国人のうち、これまでに1万6千人が出国したと発表した。
チュニジアの国境地区保安担当者は20日、リビアとの国境に近いチュニジアの都市にはすでに3万8千人以上が国境を越えたという。その多くは建設・石油関連の作業員だという。その内訳はチュニジア人が1万8千、中国人が1万6千、エジプト人が1万5千で、ほか何百人もの外国人が混沌するリビヤから脱出した。
リビアに駐在する外国の大使館員らスタッフも避難している。外交官や他の米国人がリビアから退避したことを受け、オバマ政権はトリポリの米国大使館を一時閉鎖した。
先月半ばころから反対派デモが起こっていたリビヤでは、25日午後の金曜礼拝後、都市トリポリで政府側がデモに対して実弾発砲し、多数の死者が出たことで、状況がさらに悪化。さらにカダフィ大佐が国営テレビで「どんな敵をも打ち砕く」と反体制派との徹底抗戦を強調した後、リビヤ国民や外国人の出国者は大幅に増加した。
仏AFP通信によると、今回の内戦で命を落とした人は2000人に上るという。駐リビヤ大使・西ケ広渉(にしがひろ・わたる)氏はメディアの取材に対し、「政権側も反政権側も徹底抗戦するかまえ」と述べ、今後も多数の犠牲者が出るとの懸念を示した。