中国空母、夏にも試験航海か 米軍司令官「軍事勢力に変化」

2011/04/15 更新: 2011/04/15

【大紀元日本4月15日】ウィラード米太平洋軍司令官は12日の上院軍事委員会で、 中国が空母の試験航海を、この夏にも開始する可能性があるとの見解を示し、空母の展開により、アジア太平洋地域の軍事勢力に大きな変化が生じると指摘した。

「中国当局が10年前にウクライナから購入した旧ソ連製の同空母『ワリャーグ』号は、中国の軍事力増強の具体的なシンボルと見なされており、西太平洋地区における米国の軍事的主導地位への宣戦布告である」と12日のBBC中国語版は報じた。

人民日報傘下の環球時報(ウェブ版)がこのほど掲載した「巨艦はじきに出航 中国人の70年にわたる空母の夢が現実に」という記事によると、ワリャーグからの改造作業は最終段階を迎えており、新生「施琅」号は中国海軍の標準色に塗装され完成間近だという。

中国初の空母について、ウィラード司令官は、「太平洋圏の同盟国、提携国からの情報を考えれば、地域の軍事勢力の変化はかなりのものになると思う」と述べ、中国の軍事力の増強は顕著であると指摘した。

その一方、同司令官は、中国の空母は実戦可能な状態にするまでには、実質的にかなりの訓練と改良、試験航海を必要とするため、象徴的なインパクトを与えているに過ぎないと語っている。「中国は、今年中に進水するという意図をやり遂げるだろうと我々は予測している。しかし、中国が空母としての実戦能力を備えさせるまでの道のりは、まだ長い」と、同司令官はブルームバーグ紙のインタビューで解説した。

空母の試験航海は象徴的なものに過ぎないとみなしてはいるが、ウィラード司令官は「中国は弾道ミサイル開発の能力を向上させてきた。そのほとんどは台湾方向に射程されており、実に恐るべき開発だ」とブルームバーグ紙に語っている。

また、ウィラード司令官によれば、中国は通常の潜水艦と原子力潜水艦の数を増やしているほか、その性能をも改良した。その動きが、アジア太平洋地区に配置する潜水艦の数量を激増させており、マレーシアや、ベトナム、インドネシア、オーストラリアなどの国は、保有する潜水艦の数を増やしたあるいは増やす計画にある、とウィラード司令官は話した。

BBCの報道も、「中国の軍事力の増強は、弾道ミサイルの配置とサイバー戦争の能力の向上が含まれている。この情勢は、周辺諸国に不安をもたらしており、米軍の軍事行動を制限する可能性がある」と分析した。

(日本語大紀元ウェブ編集チーム)
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