中共ウイルス(武漢肺炎)が世界的に蔓延するなか、中国共産党は最近、ウイルスの発生源が米国であるとするプロパガンダを展開している。この動きは米国を激怒させ、米の対中不信を深め、両国のデカップリングを加速させるとの見方がある。
中国外務省報道官の趙立堅氏は3月12日、昨年、米軍関係者が武漢に中共ウイルスを持ち込んだとツイートし、中国共産党の在外大使館の一部がリツイートした。 しかし、当時の武漢の病院は、米軍人がマラリアにかかっていたと診断した。 中国共産党が意図的に責任を回避して米国に濡れ衣を着せていると考えられている。
中国共産党のこの動きは米政党を怒らせており、19日にはドナルド・トランプ米大統領が演説原稿にある「コロナウイルス」の言葉を消して「中国ウイルス」に置き換えているところを撮影された。 マイク・ポンペオ国務長官は、中国共産党が流行の事実を意図的に隠蔽し、世界的なパンデミックを引き起こし、世界中の人々の命を脅かしていると繰り返し非難している。
現在も中国共産党は、米国がウイルスを武漢に持ち込んだと非難している。
これに対し、米国のシンクタンク、ウィルソン・センターのキッシンジャー米中研究所のロバート・ディリー所長は3月19日、米中関係をテーマとするセミナーで、今は世界的な危機に直面しているにも関わらず、両国は協力できないと述べた。
米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、ディリー氏は「お互いの信頼関係が明らかに欠如している。 共通の危機や迫り来る問題に直面する今、力を合わせるべきなのに、一緒に協力することができない」と述べた
一部の専門家は、中共ウイルスによって露呈した問題は、米中のデカップリングを加速させるだろうと指摘している。
一番の問題は、現在アメリカが、中共ウイルスが横行している時に必要なマスクや抗生物質を中国からの輸入に過度に依存していることだ。
中国共産党のメディア「新華社」は3月4日、「このタイミングで中国が米国に報復し、米国への渡航禁止だけでなく、医薬品の戦略的管理や米国への輸出禁止を発表すれば、米国は新たなコロナウイルスの海に落ちることになる」との記事を掲載した。
中国共産党のこのような発言は、米国民の不安を深めている。
リック・スコット(Rick Scott)米上院議員は2月28日、米シンクタンクのハドソン研究所で、米中のデカップリングについてどう思うかとの質問に対し、「(デカップリングは)もっと多くの分野で起こると思う」と述べた。 コロナウイルスを見ていると、「ライバル国に依存しすぎているのではないか」と思わずにはいられない。そして、サプライチェーンを見直すきっかけになると思う」と指摘した。
3月19日、トム・コットン米上院議員とマイク・ギャラガー米下院議員は、中国の医薬品やその他の必須製品への依存をなくすことを目的とした法案「Protecting Our Drug Supply Chain from China (Victimization) Act」を発表した。
コットン氏は声明の中で、「中国共産党は自らの失敗のためにパンデミックを引き起こしたが、米国内の重要な医薬品へのアクセスを遮断すると脅かしている」と述べている。 さらに、「命を救う薬のアメリカのサプライチェーンを中国から移転する時が来た。 この世界的な緊急事態を作った責任を中国共産党に払わせなければならない」と中国を強く非難した。
コットン氏の意見は、多くの関係者の間でも共有されている
米共和党のシンクタンク、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)のレジデント・フェローであるマーク・A・ティッセン氏は3月19日付のワシントン・ポスト紙への寄稿記事に、米国は社会的にも経済的にも中国と距離を置くべきだと書いている。 同氏は、今回のウイルスは米国が中国との関係を見直す機会を提供しているとし、「わが国の経済と国家安全保障を欺瞞に満ちた政府への依存から解放する時が来た」と述べた。
ティッセン氏の同僚で、AEIの政治経済学者で中国の専門家でもあるデレク・シザーズ(Derek Scissors)氏とダン・ブルメンソール(Dan Blumenthal)アジア研究部長も以前の共同声明で、米国は安全保障、国家の繁栄、民主主義の価値に関わる重要な分野で中国との経済的分断を行うべきだと述べている。
匿名希望の中国問題のコメンテーターは「ボイス・オブ・アメリカ」に、今回のパンデミックの後、多くのアメリカ人が中国(中国共産党)に対する考えを変えると信じていると語った。
これまで米国の対中強硬派は、中国共産党の邪悪さと米国への脅威を説いても、ほとんどの人に受け入れてもらえなかったという。「しかし、今回のパンデミックは中国の闇と悪を徹底的に暴露し、より多くのアメリカ人が中国共産党体制が民主主義と自由のシステムに与える影響を目の当たりにすることができた 」
(翻訳編集・李沐恩)