米の制裁強化、ロシアの戦費枯渇が狙い=財務次官

2022/04/08 更新: 2022/04/08

[ワシントン 7日 ロイター] – アディエモ米財務次官は7日、ロシアがウクライナへの侵攻継続に必要な資金などを奪うために米国はロシアに対する制裁を強化しているが、ロシアのエネルギー輸出の抑制には時間を要すると述べた。

ロイターとのインタビューで、ロシアがウクライナ侵攻を止めない場合、米国および同盟国は一段の制裁措置を科すとの見解を表明。バイデン大統領が6日に発表したロシアへの新規投資禁止は、ロシア企業の株式や債券、投資ファンドに米国民が投資することを禁じており、ロシアの防衛産業などを世界最大の投資資金源から切り離す効果があるとし、ロシアは経済だけでなく戦争にも必要な資金が奪われることになると語った。

すでにロシアに進出している企業による現地事業への追加投資も禁止するのかとの質問には、財務省は民間部門と協議していると応じた。

また、米国と欧州の同盟国はロシアの軍事サプライチェーン(供給網)に狙いを定め、重要な部品へのアクセスを断ち切ることを確約したとし、前回の制裁で「経済への影響がすぐに出たのと同じように、(今回の制裁の)影響もすぐに出るだろう」とした。

このほか、ロシアが西側諸国の制裁措置に対抗してルーブル安を阻止する取り組みによって、ウクライナでの戦争に振り向ける財源が流出しているとの見方を示した。

その上で「ロシアの資金が減り、プーチン大統領は経済を支えるか、ウクライナ戦争に投資するかの選択を迫られる」とした。

ロシア産エネルギーへの依存度を下げるという欧州諸国の「強い声明」に勇気づけられたとする一方、欧州は世界最大の産油国である米国とは異なる立場にあるとし、「時間はかかるだろうが、欧州は徐々に依存度を低下させるだろう」と語った。

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