死の淵で人が死後の世界を見る「臨死体験」。アカデミー賞主演女優賞を2度受賞したエリザベス・テイラーさんもその臨死体験をした一人です。
1900年代を代表する女優のテイラーさんは米国のトーク番組「オプラ・ウィンフリー・ショー」に出演し、1960年代に英国ロンドンで経験した臨死体験を語りました。
「私は4回、死亡宣告を受けことがあります。そのうち1回は5分間呼吸も脈拍もありませんでした。その時に臨死体験をしたのです」
「臨死体験をした際、体から抜け出し、周りで応急処置に当たっている医師らが見えました。必死にまぶたや指を動かし、彼らの声が聞こえていることを知らせようとしました」
しかし、彼女の思いは届くことなく、医師は「彼女は亡くなったようだ」と呟いたと言います。
次の瞬間、テイラーさんは天にも昇るようなポジティブな感情に包まれました。
「私は体から抜け出し、トンネルの中を浮かんでいるような感覚で、見覚えのある人影もありました。そしてまばゆい太陽と暖かさに包まれ、無重力状態を経験したのです」
「そしてこの状態で、亡き夫に会いました。世界中の誰よりも彼と一緒にいたかったのに……。彼が亡くなって3年経っても私はまだ彼を悼んでいたのです」
テイラーさんの夫で、米映画監督のマイク・トッドさんは結婚のわずか1年後に不運な事故でこの世を去りました。彼は悲しみに暮れるテイラーさんにこう語りかけたと言います。
「まだその時じゃないよ。来ちゃだめだ。戻らなければならない」
「どうして?」
テイラーさんは何度も彼と一緒にいたい、戻りたくないことを伝えても、亡き夫から返ってくる返事は一緒でした。
「君は戻らなければならないんだよ」
そして、テイラーが目を覚ますと、掲示板に彼女の死亡報告があり、新聞にも死亡記事が載っていたというのです。
彼女は先ほど体験したことを医師に伝えました。
「部屋には11人ほどの医者がいて、私は自分が経験したことを全員に話しました。後で自分が狂っていると思われないためにも、誰かに話さなければならないと思ったのです。しかし、話しているうちにやはり信じられない内容だと思い、他の人に話すことは控えよう思いました」
彼女は何年もの間、自分の臨死体験を口にすることはありませんでした。しかし、同じような体験をした人の話を聞いたので、自分の体験をシェアしようと思い立ったと言います。
「同じような経験をした人たちの話を見聞きしました。それぞれが体験した内容は少しずつ違っていましたが、この世以外にも、きっとあの世のような何かがあるに違いないと確信しました。同じような経験をした人があまりにも多いのです。私自身もこの目で見て体験したのですから」
(翻訳編集・ 徳山忠之助)
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