4月30日、中国最大の検索エンジン、百度のトレンドに登場した北京雲跡科技股份有限公司(雲跡科技)は、中国のホテル向けロボットの生産リーディング企業であり、過去3年間で累計純損失が8億元(人民元、以下同)を超えたと言う。
4月28日、「中国新聞周刊」の報道によると、中国の一部のホテルでは、ホテル用ロボットが車輪を使って出前や洗面用具、水などを届ける様子を報じた。
昨年末までに、雲跡科技のロボットは、中国の3万以上のホテルに導入されており、2023年の収入を基にすると、雲跡科技の世界および中国のホテルにおける市場占有率はそれぞれ9%、12.2%で、いずれも第一位だ。しかし、2022~2024年までの収入は合計5.51億元で、純損失は累計8.15億元に達したという。
同時に、損失を抱える雲跡科技は資金不足に直面しており、短期間でその状況が改善されることは難しいかもしれないという。昨年末までに、雲跡科技の帳簿上の現金および現金同等物は約1億元しかなく、流動負債は20億元を超えていた。
その中で、上場に関する賭け契約が引き起こした償還負債は18.7億元を占めた。つまり、雲跡科技の上場申請が撤回または拒否された場合、あるいは初めて香港証券取引所に、申請を提出した後の18か月以内に、成功裏に上場できなかった場合、巨額の債務返済に直面することになるという。
現在、雲跡科技は、正式に香港証券取引所に上場申請書を提出し、香港での上場を目指す。
報道によると、中国全体の商用サービスロボット業界は、雲跡科技と同様の経営困難に直面する。
いわゆる商用サービスロボットとは、製造分野以外で人間にさまざまなサービスを提供するロボットを指し、主に飲食の配達ロボット、ホテル用配達ロボット、商業清掃ロボット、案内ロボットなどが含まれ、あるホテル用ロボットの代理店は、中国新聞周刊に対し、2022年から中国のホテルロボット市場の熱気が低下し、多くのブランドが参入していると述べた。市場を奪うために、価格競争が激化し、また、2022年以降、雲跡科技、擎朗智能、普渡科技などの商用サービスロボット企業が、相次いで大規模な人員削減を行ったことが報じられた。
同時に、商用サービスロボットは、利益を上げられないという事実が市場で再び注目されており、ビジネスの本質に立ち返り、利益を追求することが、業界の主要企業の最優先課題となったという。
匿名希望の経済関係者は、中国新聞周刊に対し「ホテル用配達ロボットのように、単に物を運ぶ機能だけでは、節約できるコストや効率の向上が限られる」と述べ、このような状況では、資金を投入して市場を獲得する競争は避けられず、損失も避けられないと指摘した。
あるチェーンホテルマネージャーは、「ロボットによる配達でフロントの時間と労力を解放できるものの、ロボットを1台増やしても私の人員配置は減らせない」と述べ、当初ロボットを導入する際に、人件費の削減を考慮していたが、実際には期待通りにはいかなかったと説明した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。