中国財政に重い債務負担 利払い1.4兆元 景気刺激策にも制約

2026/10/14 更新: 2026/10/14

最新の研究によると、中国共産党(中共)の政府債務は増加を続けており、2026年の債務の利払い費は1兆4千億元に達する見通しだ。利払い負担の拡大が財政を圧迫し、新たな景気刺激策を打ち出す余地も狭まっている。

全米産業審議会(コンファレンス・ボード)の最新研究によると、中国で膨らみ続ける債務負担が、新たな経済刺激策を実施するうえでの制約となっている。これまで投資主導の成長モデルに依存してきた結果、債務の利払い費が急増し、財政運営の柔軟性が大きく低下しているという。

研究では、債務の元利払いに充てる支出が、今年の中央政府の一般公共予算の19.2%を占める見通しだ。財政支出100元のうち、約20元が債務関連の支払いに回る計算となる。

地方政府では問題がさらに深刻だ。地方政府の債務利払い費は年間16%のペースで増えている。中央・地方政府を合わせた2026年の債務利払い費は1兆4千億元に達する見込みで、2014年の3480億元を大幅に上回る。

米戦略国際問題研究所の報告書によると、2013~2025年に中共政府vの債務利払い費は341%増加し、主要な予算項目の中で最大の伸びとなった。同期間の国防費の増加率は141%だった。

中国社会科学院傘下の国家金融発展実験室のデータでも、政府部門のレバレッジ比率の上昇幅は、2021年から順に0.8、3.6、5.3、6.1、7.6ポイントと拡大した。財政拡張が続くにつれ、将来の利払い負担も一段と重くなっている。

ウォール・ストリート・ジャーナルは10月13日、中国が債務膨張の悪循環に陥りつつあると報じた。巨額の資金が需要を上回る工場や住宅の建設に投じられ、過剰供給による激しい価格競争を招いているという。企業収益を悪化させるだけでなく、賃金収入も圧迫し、国内経済の重荷になっていると分析した。

調査会社ロジウム・グループのカミーユ・ブーレノワ副ディレクターは、「最もあり得るのは、状況が緩やかに悪化し続け、金融システムが徐々に疲弊し、投資による成長押し上げ効果も低下していくことだ」と述べた。

ベルリンに本部を置くシンクタンク、メルカトル中国研究所の経済・産業部門責任者ジェイコブ・ガンター氏も、「中国の現在の経済システムが、いくつかの面で限界に近づいている」と指摘した。

時事評論家の夏言氏によると、2025年末時点で中国のマクロレバレッジ比率は302.4%に上昇し、1年間で11.7ポイント増えた。一方、家計部門の債務は0.5%増、企業部門は7.8%増だったのに対し、政府部門の債務残高は前年比17.0%増となった。

夏氏は、債務を最も増やしているのは政府部門だとみる。2025年のGDP成長率は4.0%にとどまり、債務の伸びが名目経済成長率を上回った。

債務の増加ペースが経済成長を上回れば、レバレッジ比率はさらに上昇し、利払い負担も増す。さらに利払い費の増加が新たな財政負担となり、経済成長に充てられる資金を圧迫することになる。

財政難が深まるなか、中国当局は歳入確保を急いでいる。

スイス紙「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」は、「富裕層が政府の追徴対象に」と題する記事で、中国では多くの地方都市で公務員給与を期日通り支払えない状況が出ていると報じた。財政難に直面する地方政府にとって、財源確保が差し迫った課題になっているという。

こうしたなか、海外投資を行っている富裕層が追徴課税の対象となり、当局が未納分の税金を納めるよう求めている。

同紙によると、問題の一つは納税額の算定方法だ。一部の対象者には具体的な追徴額を記した通知が届く一方、概算額だけを示されたケースもある。当局は、この概算額を協議の出発点にできると説明しているという。

税務当局の対応方法はまだ統一されていないとみられるが、未納分を追徴する姿勢は明確だと同紙は伝えた。

ただ、英金融大手バークレイズは、富裕層の海外投資から税収を得られたとしても、中国の巨額な財政不足を埋めるには不十分との見方を示している。中国のマクロ債務残高がすでにGDP比300%を超えているためだ。

任義
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