ハリス氏 トランプ氏の弾劾は「得策でない」と慎重論 民主党下院奪還でも

2026/10/29 更新: 2026/10/29

カマラ・ハリス前米副大統領は27日までに公開されたインタビューで、11月の中間選挙で民主党が下院の過半数を奪還した場合でも、トランプ大統領の弾劾訴追に踏み切ることには慎重であるべきだとの考えを示した。

党の資源は限られており、弾劾手続きよりも政権の責任追及や調査に充てるべきだと主張した。

米政治系メディア「マイダスタッチ」のインタビューに応じたハリス氏は、「率直に言って、弾劾に向かうのは得策ではないと思う。私たちが使える資源には限りがあるからだ」と述べた。

2024年の大統領選でトランプ氏に敗れた民主党候補でもあるハリス氏は、「労力と資源は責任追及や調査に振り向ける必要がある。時間を費やすべきなのは、そちらだ」と強調した。過去の弾劾訴追を受けた上院審理の際、自身も上院議員として臨んだ経験に触れた。

米憲法上、大統領の弾劾訴追は下院の単純過半数で可決できる一方、有罪評決には上院の出席議員の3分の2以上の賛成が必要となる。ハリス氏は「必要な票はそろっていない」と指摘したうえで、「選挙後は、私たちも何かを実現することを目指す姿勢で一致しなければならない」と訴えた。

トランプ氏はこれまで下院で2度、弾劾訴追されている。1度目は2019年末、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談を巡り内部告発があったことを受けたもので、下院の民主党議員らは、トランプ氏が軍事支援を利用してウクライナ政府に圧力をかけ、当時の民主党のジョー・バイデン前副大統領とその息子ハンター氏に関する捜査を求めたと主張、こうした行為は弾劾に値する重大な不正に当たると訴えた。

2度目は2021年1月6日の連邦議会議事堂乱入事件を受けたもので、民主党議員と一部の共和党議員は、トランプ氏が2020年大統領選後や議事堂襲撃前の演説を通じて反乱を扇動しようとしたと非難した。いずれも上院で有罪評決に必要な票を得られず、罷免には至らなかった。

ハリス氏のこうした発言は、中間選挙で民主党が下院の過半数を奪還すれば、トランプ氏本人やホワイトハウス高官の弾劾を目指すべきだとの観測が浮上する中で出た。

民主党内 ヘグセス国防長官の責任追及も焦点に

下院民主党トップのハキーム・ジェフリーズ院内総務は24日、米メディア「MSナウ」のインタビューで、ヘグセス国防長官の弾劾を求める決議案への対応を問われた。共和党に代わって民主党が下院で多数派となれば、ジェフリーズ氏は次期下院議長に就く可能性がある。

ジェフリーズ氏はヘグセス氏について、「パム・ボンディ前司法長官やクリスティ・ノーム前国土安全保障長官に対して行ったのと同じように、責任を追及していく」と述べた。

そのうえで、「大統領はヘグセス氏を退かせるべきだ。そうしないのであれば、われわれはこの問題に対処しなければならない」と語り、同氏を政権から退かせるため圧力を強めていく考えを示した。

一方、弾劾決議案そのものへの賛否は明言を避け、「ヘグセス氏について当初から一貫して主張してきたことに沿って行動する」と述べるにとどめ、同氏の解任を求める姿勢を改めて示した。

ピート・ヘグセス陸軍長官が、2026年10月23日、ワシントンD.C.の国防総省(ペンタゴン)で、米空軍のメリッサ・カニンガム准将の復職式典を主催した。写真:米空軍上級軍曹ユージン・オリバー撮影(米国防総省提供)

共和党のトーマス・マッシー下院議員は9月、ヘグセス氏の弾劾を求める決議案を提出した。マッシー氏は今年の党予備選で敗れ、今期限りで下院議員を退く予定。決議案でマッシー氏は、議会の承認を得ないままイランとの武力衝突に対応したのは違法だと主張したほか、米軍がカリブ海や東太平洋で船舶に違法な攻撃を加えたとも主張した。

退役軍人であるマーク・ケリー上院議員(民主党)への報復を試みたとされる行為や、国防総省の他の政策についても問題視した。

この決議案を巡り、国防総省の報道官はヘグセス氏が同省の利益にかなう形で職務を遂行していると反論した。

「ヘグセス長官は国防総省に変革をもたらす指導者だ。規律と実力主義が復活し、米軍の装備はかつてないほど強化された。士気や採用実績も過去最高の水準にある」としたうえで、「官僚主義を大幅に削減して革新を促し、あらゆる階級の軍人のために成果を上げてきた」と強調した。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。
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