中国経済の衰退を隠せなくなった中共 GDPと失業率の「数字」に疑問

2026/11/04 更新: 2026/11/04

中国共産党(中共)が発表した中国の10月の景況指数は、製造業、非製造業ともに好不況の分かれ目となる50を下回った。製造業は一時的に景況が改善したものの、その勢いは続かず、経済全体が減速傾向にあることを示している。

専門家は、中国経済の衰退という実態を隠し通すことは、ますます難しくなっていると指摘する。

中国の製造業・非製造業がともに縮小

中共当局が10月31日に発表した10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.3となり、9月から0.8ポイント低下した。好不況の分かれ目となる50を再び下回った。

非製造業購買担当者景気指数(NMI)も、9月の50.2から0.5ポイント低下し、49.7となった。

PMIとNMIはいずれも50を景況判断の基準としており、50を上回れば経済活動の拡大、下回れば縮小を示す。

中国の製造業PMIは7月が49.2、8月が49.8、9月が50.1と緩やかに回復していた。しかし、10月の大幅な低下によって、過去2か月間の上昇分がほぼ帳消しになった。

製造業では、生産と需要の双方が減速している。10月の生産指数は前月から1.9ポイント低下して49.8、新規受注指数も1.1ポイント低下して49.4となった。

非製造業では、10月のサービス業の事業活動指数が前月から0.2ポイント低下して50.0となり、建設業の事業活動指数は2.3ポイント低下して48.0となった。

これらの数字は、中国経済が再び不況に陥ったことを示しているのだろうか。

台湾南華大学国際事務・営業学科の孫国祥教授は大紀元に対し、今回のデータは中国経済が「内需不足、外需減速、投資低迷」という三重の圧力に直面していることを示していると述べた。

また、景気減速はもはや不動産業界や一部の産業に限らず、製造業、サービス業、建設業へと徐々に広がっていると指摘した。

孫氏は、中国が長年、国内消費の不足を投資と輸出で補ってきたものの、現在はその2つの成長の柱も試練に直面していると強調した。

ハイテク製造業は依然として成長しているが、従来型の産業や個人消費全体を押し上げるには至っていないという。

「これは、中国経済が直面している問題が、もはや短期的な景気変動にとどまらないことを意味する。生産拡大への過度な依存、国民の消費能力の不足、不動産市場の調整がもたらした構造的な問題だ」

一方、サウスカロライナ大学エイケン校の謝田教授は、「これらの指数が示しているのは、中国経済が衰退しているという事実を、中共がますます隠しきれなくなっているということだ。数字の捏造さえ難しくなっている」と語った。

さらに、今後の見通しについても悲観的な見方を示した。

「製造業の動向から見ると、今後の中国経済は極めて厳しい。つまり、経済は今も悪化し続けており、今年第4四半期には、さらに深刻な状況になる恐れがある」

中共発表のGDP成長率 信頼性に疑問の声

中共は10月19日、今年第3四半期のGDPが前年同期比4.5%増加したと発表した。第1四半期は5.0%増、第2四半期は4.3%増で、1~9月の成長率は4.6%となった。

しかし、一部の欧米アナリストは、中国の今年のGDP成長率を0~3%と推計している。

例えば、英国の調査会社キャピタル・エコノミクスは、独自に開発したモデルに基づき、中国の第3四半期のGDP成長率を2%と推計した。

同社のモデルには、都市間の旅客輸送量や工業用電力消費量など、人為的な操作が比較的難しい多数のデータが使われている。

米国のシンクタンク、ロジウム・グループは、中国の今年のGDP成長率を0%前後と推計している。

同グループは、小売売上高の伸びが鈍く、固定資産投資も大幅に減少している状況で、中国経済が4.5%の成長を達成することは不可能だと分析した。

台湾中華経済研究院第一研究所の王国臣副研究員は、今年5月に発表した「中国の経済データ操作問題」に関する報告書で、中国の経済成長率の計算方法について「世界の奇跡と言っても過言ではない」と評した。

王氏は具体例として、中共が発表した今年第1四半期のGDPが33兆4千億元だったことを挙げた。

この数値は、国際的に用いられるGDPの算出方法「支出法」で計算した場合より21.5%高く、GDPが大幅に水増しされたことを示しているという。

王氏の分析によると、支出法で計算した第1四半期のGDP成長率は実際にはマイナス1.5%で、経済は1.5%縮小していたことになる。

孫氏は、こうした疑問にはいずれも「分析上の価値がある」と述べた。「問題は、中国経済の成長率が4.6%なのか、ゼロに近いのかということだけではない。経済成長の数字と、国民が実際に感じている景気との隔たりが広がっていることだ」と指摘した。

謝氏は、こうした疑問は「中国経済の真相を明らかにしている」と述べ、自身が見ている実態とも一致するとした。中国経済は実際に衰退しているという。

「中国経済は現在、深刻な衰退に直面している。中共による経済データの捏造をすべて取り除けば、実態は経済の衰退だ。これは失業や雇用の問題と密接に関係している。失業者が増え、雇用が減っている状況と一致するのは、経済が衰退しているという見方だけだ」

中共発表の「安定した失業率」にも捏造疑惑

10月に発表された今年9月の「全国都市部調査失業率」は5.2%で、8月から0.1ポイント低下した。今年1~9月の平均失業率も5.2%と前年同期と同じ水準で、雇用情勢が「全体として安定している」ことを示す数字となった。

しかし、この数字は再び大きな波紋を呼んだ。中共が公表している失業保険の受給者数や基金の支出額が増加し続けている状況と、大きく食い違っているためだ。

公式統計によると、2025年末時点で中国の失業保険受給者数は557万人に達し、過去最多を記録した。2021年のパンデミック期には259万人だったが、わずか4年間で2倍以上に増えた。

また、今年1~5月の全国の失業保険基金の支出額は880億8千万元に急増し、2013年以降の同時期としては過去最高となった。

2026年5月の単月の支出額だけでも172億2千万元に達し、都市封鎖が続いていた2022年5月に記録した過去最高水準に迫った。

上海の中欧国際工商学院の朱天副院長は、今年9月に発表した文章で、中共当局の失業率は「実際には参考になる価値があまりない」と指摘した。

清華大学の研究者による推計では、中国の広義の都市部失業率は10.2%に達している。

率直な発言で知られた中国の著名な経済学者、故・高善文氏は2024年、後に大きな注目を集めた公開講演で、中国の都市部の就業者数が累計4700万人減少する一方、農村部の就業者数は累計4100万人増加したと指摘した。

高氏は、都市部で職を失った人の多くは農村出身の出稼ぎ労働者で、失業後に故郷へ戻ったと分析した。

一部は都市部に残り、自宅で「寝そべり生活」を送ったり、臨時の仕事で生計を立てたりしているという。

農村へ戻った4100万人は、都市部の失業率の計算には含まれないと説明した。

謝氏は、中共が統計の捏造を続けることは、ますます難しくなっていると指摘した。

「中共が数字を捏造していることは、誰もが知っている。今や問題は、どの程度捏造しているかということだけだ」

孫氏は、中共の経済統計に対する信頼性が疑われることで、さらに深刻な影響が生じると指摘した。

「市場が中共の公式データを十分に信用しなくなれば、外国投資家の信頼が揺らぐだけでなく、中国政府が経済問題を正しく判断し、有効な政策を打ち出す能力も低下するだろう」

中共が経済データを捏造する背景 政権の正統性を維持するためか

中共が公表する経済データの信頼性については、国際的な経済学界やシンクタンク、投資家の間で長年疑問視されてきた。

実際の成長率を過大に示し、構造的な危機を隠しているとの見方が広がっている。

では、なぜ中共は経済データを捏造するのだろうか。

孫氏は、その背景には主に「政治的正統性、社会の安定、市場の信頼」という3つの要因があると分析した。

「第一に、中共は長年、経済発展の成果を政権の実績を示す重要な柱としてきた。経済が明らかに失速していると認めれば、これまでの経済政策や統治能力に対する疑問が強まる恐れがある」

「第二に、北京は経済の先行きに対する悲観的な見方が広がることを懸念している。国民が消費を控え、企業が投資を先送りし、資金の国外流出が加速すれば、経済状況がさらに悪化するからだ」

一方、謝氏は、中共は経済データだけでなく、歴史まで捏造していると厳しく批判した。

「最初から捏造してきた以上、その後も捏造を続け、新たな嘘で過去の嘘を覆い隠し、政権の安定を維持しようとする。いわゆる『経済成長』がなければ、政権の正統性が疑問視されることになる」

謝氏は、中共が経済的に繁栄しているかのような虚像を作り上げる「動機と目的」は、共産党の支配と政権の安定を守ることにあると指摘した。

中共が最も恐れているのは、「暴力と嘘によって維持してきた政権が、いつか真実が明らかになり、突然崩壊することだ」と述べた。

易如
程雯
関連特集: 中国経済