【独占インタビュー】高智晟弁護士 ハンスト・リレー、全国民が迫害に反対する基礎作りに

2006/02/13 更新: 2006/02/13

【大紀元日本2月13日】近年、中国大陸で中共当局による、一般民衆や人権活動家に対する残虐で下劣なマフィア的迫害事件が後を断たず、法律に従って自らの基本的人権を守ろうとする通常の人権活動ができなくなっている。定州事件から太石村事件、そして汕尾市事件まで、中共当局は住民たちに対して虐殺まで行った。高智晟弁護士から郭飛熊弁護士まで、人権活動家たちは各地で恐喝、拉致、殴打を受け、場合によっては暗殺寸前の迫害まで受けている。大陸各地からの陳情者、異見を唱える人々、宗教信仰者および法輪功学習者などが、毎日残酷な迫害を受けている。そうした中、著名人権弁護士・高智晟氏の提唱の下で、中国各地の人権活動家たちが2月4日午前6時から、全国的に人権擁護ハンスト・リレーを展開し、中共の暴政に抗議し、国内および海外各界の強い反響および支持を獲得している。2月11日現在、大紀元の論壇では、すでに1800以上の声援署名が発表されている。

 高弁護士が2月8日大紀元の取材を受けた時点で、すでにハンスト・リレー活動を半年間継続可能な参加署名が届いている。高氏はインタビューの中で、ハンスト・リレー活動の真の意義はプロセスにあり、全国規模の迫害抗議活動が必ず起こると指摘し、また今の活動は全国民が迫害に反対するための基礎作りになると強調した。

 以下はハンスト・リレーに関する取材記録の一部である。

 記者:自由社会からどれくらい注目されているのでしょうか?

 高弁護士:アメリカの国会議員とフランス政府の役人からの電話があり、高い関心を示しています。アメリカの国会議員は電話で通訳を通して私と話をしました。それと、AP通信、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン、BBC、DPA通信、ドイチェ・ヴェレ、ガーディアン紙、インディペンデント紙、スイス時報などの自由社会のメディアからの取材やインタビュー予約もあります。自由社会の大手メディアの取材頻度は非常に高いです。

 記者:海外からの声援は国内の人権擁護人士の励みになると思いますか?

 高弁護士:もちろんそのように考えています。大変励みになっています。海外の中国人は大陸の中国人と同じく、みな中国人ですから、海外の声援人士は中国が平和社会に転換するのに欠かせない強力な部分なのです。特に国内では人々が沈黙を保ち、情報が封鎖され、国内のメディアまでも中共政権の代弁者となっている情況の下で、大部分の中国人は未だ恐怖の中におり、本心の願いと合致する選択ができない現状にあるため、海外の声援は非常に重要な役割を果たしています。

 記者:中共は今回の活動についてどのような対応をしていますか?

 高弁護士:まずはっきり言えることは、この完全にマフィアと化した政権は、そのために何か大きく変わることがありえず、また凶暴さをむき出しにして、下劣な弾圧迫害を続けることでしょう。しかし大きな圧力を前にして、表面的に柔軟化した調整をみせるかもしれませんが、それも人々を離間するための調整にすぎません。

 例えば、上海政府はここ二日間動き出しました。何度も上申し、冤罪を晴らすよう求める市民に対して、今回のハンスト・リレー活動に参加しなければ、政府は彼らの問題を解決すると話したそうです。そのため、一部の上申者は私に、もう少し様子を見てから決めたいと電話で言ってきました。そこで私は上申者に対してこう忠告しました。

 「中共がこの数十年間で作り上げた嘘はその暴力マシンの一部となっており、しかも最も人を惑わしやすい部分だ。中共政府の嘘や詐術を作り出す手法は、いかなる制度や政権も真似できないほど卑劣なものになっている。中共政府は今回の圧力に押されて、すぐさまあなたたちに優しい顔をして、問題を解決すると保証したが、これは一時逃れの策に過ぎず、明日になれば再び災いを作り出す。それに今日の中共はあなたたちの問題を解決する誠意を持っていないし、問題を解決する能力もない。今は窮地から脱出するためにあなたたちのところを訪れたのであって、問題を解決するためではない。もし中共に良知と人類文明に対する基本的な尊重があるなら、今日までのような人民に対する下劣な迫害事件は最初から起きなかった。何年もこのような迫害を繰り返して、解決しないどころか、問題の解決を求めに来た上申者をも迫害しているのだ。だから仮面をつけた中共幹部の聞こえのいい話を信じてはいけない」。

 記者:今回のハンスト・リレー活動の真の意義は何だと思いますか?

 高弁護士:結果には多くの意義はないと思いますが、重要なのはプロセスそのものです。我々は、中共当局にはっきりとしたメッセージを発信したいのです。つまり、そう簡単に中国人を犬のように扱うことはできないということです。少なくとも大多数の中国人は人間の生活をしたいと望んでいます。いわゆる人類社会とは、民衆の社会であって、このような暴力的な、マフィアと化した中共政権の社会ではありません。中共政権は人間の最低限の尊厳に対する要求に配慮すべきでした。もし略奪と暴行をするとき、これら最低限の配慮も与えないなら、民衆はそれに対抗するしかないのです。

 記者:今回のハンスト・リレー活動と脱党活動には共通するところがあります。どちらも非暴力・理性的な方法で、民衆の中に正義の声を伝播し、民衆が恐怖を克服するよう誘導して、民衆の良知を喚起しています。これについてあなたはどう思いますか?

 高弁護士:私も同じ考えです。脱党活動とハンスト・リレー活動との間の理念と方法は少し異なっていますが、いずれも強権を恐れず、非暴力・非協力の活動です。

 記者:今回の活動は必然的な結果なのか、それとも偶発的な触発でしょうか?

 高弁護士:これは、偶発的な触発ではなく、必然的な結果だと思います。このような活動を生み出す社会環境と人々の心理条件がすでに備わっていました。この社会では、一人でも犬のように生きていきたくないと思えば、一定時期になると、このような形式の活動は必然的に発生します。今の中国では、司法制度を含めた国家全体が完全に中共というマフィア集団のコントロール下におかれているため、ほかに良い方法がありません。少なくとも考え出すことができません。中共当局はデモ行進などの、文明社会なら認められている方法を一切禁じたのです。つまり、人々が自宅から出なければ問題にならないということですから、私たちは逆に自分たちの体を通して、平和的な方法で自分たちの気持ちを伝える以外に、もう方法は残されていません。

 記者:活動の規模が絶えず拡大し、自由社会の政府、メディアも次第に注目しています。このような中国内外の声援が絶えず強大化することで、中国の人権活動に新しい局面を作り出すことができると思いますか?

 高弁護士:少なくともそうなることを期待しています。我々には迫害に甘んじない非常に膨大な民衆がいますから、遅かれ早かれ、中国全土の民衆が迫害に反対する幕が開けられます。なぜなら中共が迫害しているのは中国人全体ですからね。我々はずっと、その幕を少しずつ開けようと試みていますが、やはり中共の強権政治下における厳しい情勢では、非常に難しいのです。しかし、少しずつでも中共という一見強大に見える躯体をこじ開けていくことは、全国民が迫害に反対するための基礎を作ることになります。

 

(大紀元記者・辛菲)