【大紀元日本11月5日】カナダの映画監督ピーター・ロウ氏(Peter Rowe)氏制作のドキュメンタリー映画「赤い壁の向こう側:法輪功の迫害」(Beyond the Red Wall:The Persecution of Falun Gong)が現地時間6日午後10時、カナダ放送協会(CBC)のNews Worldの番組で放送される。この映画のテーマは、中国当局による法輪功弾圧の問題。欧米国家の国営放送局が、関連の真相を伝えるのは初めて。
「収容所の生活はまるで地獄だった。しかし、拷問は我々の信条を変えることはできなかった」と、カナダのマギル大学で彫刻芸術を教える張崑崙・教授は映画で証言した。法輪功を修煉しているため、2002年帰国した際に逮捕され、強制収容所で拷問や、電撃、強制洗脳などを受けていた。
当時のカナダ自由党の国会議員、後に法務相になったオーウェン・コテラー氏が、人権弁護士や、アムネスティ・インターナショナルなどと連携して、張崑崙・教授を救出しカナダに招いた。同映画はこの過程を記録した。
ロウ氏「調査しなければならないと思った」
同映画は、1990年代から中国社会で現れた気功ブームの場面から始まる。1992年、法輪功の創始者・李洪志氏が、「真・善・忍」を基本理念とするこの気功修煉法を全国で伝授し始めた。中国人の心に深い共鳴をもたらしたため、瞬く間に全国で広げた。1999年7月20日弾圧が始まるまでに、約1億人の愛好者がいた(中国当局の統計)。
映画では、モントリオール大学東アジア研究所のデービット・オウンビー(David Ownby)教授が、「1999年4月25日、約1万人の法輪功修煉者は中国共産党最高指導部に対し、平和的な陳情を行い、法輪功への取締を止めるよう求めた。中国共産党は法輪功の難攻不落の凝集力に気づき、内心は激しい震撼を受けた」と分析している。
2005年5月、カナダ・トロントで開かれた世界法輪大法デーのイベントを撮影取材するロウ氏(Jan Jekielek/The Epoch Times)
監督のピーター・ロウ氏は、2003年バンクーバーの中国領事館前の迫害抗議活動をみたときから、法輪功の真実を調査する考えが促されたと説明し、当時は、国際社会はこの迫害を知らず、法輪功を知らず、迫害の真相をも知らずにいたと述べた。
同監督は、「中国当局の政策は、『真・善・忍』を信条とするこの平和的な世界組織を消滅させること。後に私はこのことに気づいた」、「真相を調査し、今の非戦争時代で進行しているこの最悪な人権迫害をすべての人々に知らせる必要があると思った」と、映画を制作する動機を語った。
ピューリッツァー賞受賞者:法輪功への集団迫害は中国の政治体制の汚点
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者イアン・ジョンソン(Ian Johnson)氏はこの映画で、弾圧を発動した当時の江沢民・前国家主席の衝撃を次のように表現した。「これほど厖大な人数が、至る所に警察が巡回する北京市で「国家信訪局」の前に静かに集結した。その自発的な紀律は、当時の指導者・江沢民の恐怖を抱く心に突き刺さった」。ジョンソンは2001年、法輪功の迫害を報道したことでピューリッツァー 賞(新聞等の印刷報道、文学、作曲に与えられる米国で最も権威ある賞)を受賞した。
ジョンソン氏はこの映画で、法輪功への集団迫害は中国の政治体制の汚点とし、いま、執政者らは自ら犯した暴行を直視し、この恐怖的な弾圧を認めなければならず、中国を前進させるには、当局はこの問題を必ず精算する必要があると指摘した。
デービット・キルガー氏「虐殺はやめなければならない」
映画は、カナダ前国会議員デービット・キルガー氏と、国際人権弁護士デービット・マタス氏が作成した調査報告書『血まみれの臓器摘出:生きた中国法輪功修煉者への臓器強制摘出の告発に関する報告』(http: //organharvestinvestigation.net)を紹介した。
カナダ・オタワで開かれた集会で、中国の臓器狩りについてスピーチする、カナダ元国会議員のキルガー氏(Matthew Hildebrand/The Epoch Times)
報告書には、世界各地の患者が移植用腎臓を待つ平均期間を記載している。カナダは2555日間、英国は1095日間、米国は1825日間、中国は15日間。また、中国国内の病院関係者と交わした電話録音も引用され、中国国内において、生きている法輪功修煉者を対象とする厖大な臓器バンクが存在する、との調査結論を出した。
デービット・キルガー氏は「虐殺はやめなければならない」と強く訴えた。
この映画は、カナダ放送協会のNewsworld番組で、現地時間11月6日午後10時、11月10日(土曜日)午前4時と午後11時に放送される。
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