【大紀元日本7月7日】中国の温家宝首相は7月3日、湖南省長沙市で開かれた経済情勢座談会で、中国の経済情勢が多くの難関に直面していると発言したという。中国国内の経済紙が伝えた。
会議は湖南省、湖北省、広東省の経済情勢を議論するために開かれたもので、同席で中国経済の展望について、話が交わされた。9日間の期間中、温首相は4回目の経済情勢座談会でマクロ・コントロールの難しさに言及した。国際社会の金融危機の深刻さと復興の困難が、いずれも予想を上回り、「中国のマクロ・コントロールに対するジレンマが増加している」と強調した。
「長期に存在する構造的な問題に力を入れて解決しなければいけないと同時に、目前の緊迫化した問題にも取り組んでいかなければならない」と温首相は話した。
事実、今年後半の経済情勢に対して不安が普遍的に示されている。「新華社」通信は全人代(日本の国会に相当)財経委員会である尹中卿副主任の話を引用し、同委員会のメンバーと関連機関の幹部らは、今年の下半期の経済情勢を憂慮していると報じた。理由は第2四半期の各経済指標がいずれも下落の傾向にあることを挙げている。
中国国内紙の報道によると、5月に輸出総額は記録的な1360億ドルを出したにもかかわらず、先週公表された6月の購買担当者指数(PMI)が製造業界の鈍化を示しているという。また、外航不定期船の運賃指数を表すバルチック指数も、5月から大幅に下落。現在4割以上が低落している。そのほか、発電用電力量と交通運輸の指数も停滞の状況。
中国のマクロ・コントロールに関して、中国社会科学院学部委員の劉樹成などの経済学者は最近、経済刺激策は進退両難の「ジレンマ」に立たされていると指摘した。
これらのジレンマは主に次の6つである。▼人民元の大幅な切り上げを国際社会に迫られているが、急速な切り上げは輸出を悪化させ、失業率を増加させてしまう▼輸出増加で経済を牽引するが、国内の経済構造も調整しないといけない▼労働者の賃上げは避けられないが、企業へのコスト増にも配慮する必要がある▼不動産を規制する必要があるが、市場の深刻な萎縮も経済に打撃を与えてしまう▼省エネと排気ガスが減少することで、燃料価格が引き上がってしまうが、物価の上昇は抑えるべき▼マクロコントロールの早すぎる終了は、再び経済情勢を悪化させる。また、遅すぎる終了はインフレにつながる恐れがある、など。
「あらゆる経済ジレンマで、最も憂慮すべきなのは、経済の増長とインフレ予測の間の矛盾である」と、「民生証券」のマクロ経済アナリスト・郝大明は国内の経済紙のインタビューで指摘している。
(翻訳編集:高遠)
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