【大紀元日本11月3日】11月1日から中国で第6回国勢調査が正式に始まった。調査員650万人が4億世帯を訪れる予定になっており、10年に一度の調査は今後の経済政策や社会保障政策を打ち出すための重要資料と位置づけられている。
一方、人口の流動性とプライバシーやセキュリティー意識の向上から、正確さが今回の調査の最重要課題となっている。
「流動人口の調査が最大の困難」と国家統計局の幹部は言う。「推定2億人いる出稼ぎ労働者は、不法に都市部に居住している場合が多く、不法居住が発覚すると処罰されるため、彼らは国勢調査を避けようとしている」と指摘した。
解決策として専門家は「洗面所に置かれている歯ブラシの数を数えるのも有効な調査方法だ」とアドバイスしている。
予備調査で、8つのベッドが置かれた出稼ぎ労働者の共同アパートで、洗面所に25本の歯ブラシが置かれていたことから、人数を割り出すことができたという。
また、一人っ子政策に違反した人も、調査に応じないことが予想されている。政府の監視をくぐって生まれた2人目以降の子供は、罰金などの処分を恐れ、ほとんど戸籍がない状態だ。「闇っ子」と呼ばれるこのような子供は数百万人いると見られている。これについて北京政府は「自ら申告すれば、罰金を減額する。貧困世帯は分割払いも可」などの対策を講じている。
李克強副首相は調査に先立って、テレビを通じて調査の協力を呼びかけたにもかかわらず、予備調査の際、ドアを開けようとしない住民が多いという。「年寄りと子供しかいない時は、絶対応じてはいけないと家族で決めた。偽者だったら恐ろしいことになる」とある北京住民が言う。近年の治安の悪化が一因だと考えられる。
そして、近年のプライバシー意識の向上によって、個人情報を安易に提供しない人も増えているという現状を受け、「収入や住宅の所有数を聞かれても、答える必要はない」と政府は配慮を示している。
しかし「調査員にはユニフォームがなく、本物かどうか分からない。一部の調査員はマナーが悪く、扉を叩いたり『国勢調査だ』と大声で叫んだりして迷惑だ」と早速ネット掲示板に住民からの苦情が寄せられた。
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