<赤龍解体記・2013新年編>空想を捨て、大いなる未来へ

2013/01/01 更新: 2013/01/01

   (AFP/Getty Images)

【大紀元日本1月1日】昨年は世界の政治経済において激動の一年だった。その中でもとりわけ、台湾、ロシア、フランス、米国、中国、韓国、日本などの主要国家で行われた政権交代が嘱目され、グローバル規模で未曾有の政権交代は2012年の一大出来事となった。

この一大出来事の中で特に人目を引くのは、国際的な影響力が日々高まる中国の指導者交代である。低迷している世界経済の牽引力と期待されているだけに、新しい指導者への待望論も際立った。

過去30余年、中国は経済の高度成長を保ち続け、日本を追い抜いて世界2番目の経済大国に躍り出た。しかし、実質的成長率などの経済指数を論外にしても、そのGDPは、環境汚染、資源浪費、国民剥奪、人権抑圧、民主や自由への弾圧、世界の普遍的価値観の否定、人類正義の破壊などを代償として現われた数字だ。

この成長は世界の経済発展に一時的に貢献したものの、この引き替えにもたらされた多大な負の遺産は、より甚大で長期的であり、かつ多元的に世界文明の発展に悪影響を与えている。それは、現在、中国共産党は中国を乗っ取っており、人類の普遍的価値観を抹殺しつつ悪党の論理(党文化)を世界に広げているからだ。彼らは世界のルールや価値観を入れ替え、全世界を制覇しようとしている。これは焦眉の急を告げる事態だ。

遺憾なことに、米国をはじめ、世界の主要国家の多くの政治家は、こういった深刻で厳重なチャイナリスクを明確に認識しておらず、中国への対応は依然として宥和で妥協的であり、協力姿勢へと偏るために、中国からは常に牽制され、中国の暴走には後手に対応する状況である。

中国のことわざに「為虎作倀」(ウェイ・フー・ツオ・チャング)(悪人の手先になって悪事を働く意)というものがある。虎に食われて「倀」という名の亡霊になった男が、いつまでもその虎の見の回りに張り付き、虎のために他の人間を捕えて食わせていたという話に由来する。結果論的に言えば、冷戦後の自由社会の対中政策は実質上、人類をかく乱する中国共産党の手先になって悪事を働いたと言っても過言ではなかろう。

目下、中国を含め国際社会で次のような論調が広がっている。過去のことはすでに過去形となり、今は、習近平総書記らが一縷の新風のごとく、紀律の改善や民生の重視、官員腐敗の是正などを大々的に行っているため、これらの動きに歓迎と期待の意を示すべきだ、と。

この種の観点は一理あるように見えるが、実際は謬見であり自らを欺く憶説に過ぎない。

中国共産党は、狡猾であり、最悪な暴政をもって人類の5分の1の人口を統制する。これまで、少なくとも8000万人の国民が虐殺されてきた。1999年からは1億人ほどの法輪功学習者を迫害し恣意に命を奪い、臓器を奪取し、遺体を人体標本にして暴利を得てきた。たとえ、過去の大罪を清算せずに抹消することができたとしても、今後、中国共産党がこのような犯罪を根絶し、魂を入れ替え、根本から悪党の性質を変えることができるのだろうか。

ぼう大な史実や残酷な現状を鑑みれば、中国共産党の邪悪の本性は一貫して変わっていないことが明白だ。だが、表面的な体裁はカメレオンのように外部環境に応じて常に変貌し続けている。

今の腐敗是正の嵐も従来の政治運動の延長に過ぎず、一定の期間で一定の腕力で一定の手続きで行われることしかできない。徹底的な腐敗是正は、共産党官員を全滅させ、共産党の独裁政権を直ちに崩壊させてしまうからだ。独裁政権を維持していくのが、共産党の各勢力、既得権益者の大前提であり、権力闘争がどれほど白熱化しても、この最終ラインは、どの派閥も一丸となって死守している。

一方、現在の中国の指導者にとって、政権維持のために切れるカードはもはや、腐敗是正や国粋主義くらいしかない。政治的なパフォーマンスというよりも、苦渋で危険に満ちた、やむを得ない選択である。

むろん、われわれは習氏らの腐敗是正への誠意を懐疑するものではない。彼のプラスとなる挙動をも肯定する。しかし、それらを過大評価し過度に期待すれば、従来の挫折と失敗が繰り返されることは目に見えている。

中国共産党の土壌では、ゴルバチョフ氏のような人物は誕生しえない。劉少奇、胡耀邦、趙紫陽がその好例である。こういった「鑑」(かがみ)があるからこそ、天安門事件以降、誰ひとりとして彼らの覆轍(ふくてつ:先人の失敗)を踏むまいとし、小心翼々として左寄りに躊躇している。仮に習氏らが敢えて共産党のタブーを破ることができたとしても、彼もまた趙紫陽らと同様に、共産党を変えることは到底できない。

だが次のようなシナリオも考えられる。中国の国民が共産党政権の不本意な腐敗是正などを巧みに利用し、正義の勢力を結集してその独裁体制を一挙に埋葬する。あるいは、腐敗是正などにより、内部の権力闘争がより一層激化し、内紛が爆発してクーデターにつながり、独裁体制の崩壊に至る。

アメリカのことわざに、「Fool Me Once,Shame on You. Fool Me Twice,Shame on Me」(一度だけ僕を騙したなら君の恥、二度も僕を騙したのなら僕の恥)というものがあるが、もしこれまでの教訓や失敗を省みず、今後も再三中国共産党に騙されるのであれば、それはまさにわれわれの愚挙であり、国際社会の恥である。

中国共産党は、今後も国内外の環境に応じてその体裁を変化(へんげ)していくが、どれほど変貌しても本質と目的は変わらないことを、あらためて銘記したい。本コラムのタイトルを「赤龍解体記」とした理由も、こういった認識に基づくものだ。すなわち、中国共産党の「進化記」「変身記」ではなく、免れない定めである「解体」の経緯を記すものである。

アラブの春以来、とりわけ昨年2月の王立軍事件を端緒に、共産党指導部における闘争が白熱化し、分裂はすでに表面化している。ソビエトやベルリンの壁の崩壊からアラブの春まで、歴史はすでにわれわれに予行演習する機会を多々与えてくれた。今こそ、国際社会が人類共通の大敵に、万全な対策を講じる時だ。

文明の転換期と言われる今、古い観念を改変し、従来の定式から飛び出し、グローバルな未来の視点に立って、中国共産党の本質を認識する。その上で、民主や自由や人権を求め、中国共産党の組織から離脱する中国の民衆を堂々と声援・支援すべきである。

人類の文明史の視点から見れば、このソフトな対応こそ、中国国民がもっとも嘱望しているものであり、国際社会の対中外交において、最強でもっとも有効な神器であり、民主主義国家の果たすべき歴史的使命でもある。

多事多難な2012年が過ぎ行き、希望を託す2013年の扉が開いた。一人一人が目を覚まし、偉大な未来へ確固たる足取りで歩む時が来たのではないだろうか。

(呈工)
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