トルコ外務省は2月9日、中国当局による新疆ウイグル自治区における膨大な人口に対する非人道的な集中管理について、「人類にとって大きな恥」と非難する声明を出し、即時の施設閉鎖を求めた。
トルコ外務省のハミ・アクソイ報道官は、中国当局は同地区で100万人以上のウイグル族を拘束し「系統的な同化政策」を実行していると指摘。収監者らは拷問や政治洗脳を受けているとした。
「われわれは中国がトルコ系少数民族のウイグル族の基本的人権を尊重し、ただちに収容施設を閉鎖するよう求める」と報道官は述べた。
トルコのレセップ・エルドアン大統領は過去、この収容施設について「大量虐殺がある」と発言しているが、最近の中国共産党政府との経済関係の強化から、対中姿勢は控えめとなった。
新疆ウイグル自治区は人口1000万人で、その45%はトルコ系。住民は長らく文化、信仰の抑圧、経済的な差別に瀕しているとして、中国共産党政権を糾弾してきた。弾圧は2016年以降、中国政府主導のユーラシア大陸を横断する経済圏構想・一帯一路を推進する過程で、ますます悪化した。
同地では、信仰に基づく習慣である定時の祈り、礼拝、断食、男性の長いひげ、女性の頭を覆う布(ヒジャブ)、腰より長い服装などは禁じられた。監視カメラや検問所が多数設けられ、武装警察官が区内を重点的に監視している。
中国当局はトルコの主張を否定する。外務省報道官・華春瑩副報道局長は「話をでっち上げたり、悪意をもって批判しないでほしい」と11日の定例会見で述べた。
また、在外ウイグル団体やトルコ政府が言及した、収容施設で9日に死亡したとされるウイグル族の著名音楽家について「元気に生きている、滑稽なウソだ」と華報道官は述べた。
米国拠点の人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ事務局長のケネス・ロス氏は、トルコ政府の声明を称えた。「非常に大きな動きだ。トルコは世界で初めて、むごたらしいウイグル族弾圧に対して直接批判したイスラム教の国家だ。今こそ、他国もトルコに加勢する時だ」
国連人権理事会や米国議会でも言及されており、中国政府によるウイグル族に対する人権弾圧は広く知られている。2018年8月に開かれた国連人種差別撤廃委員会で、米国のマクドゥーガル委員は、証拠に基づいた報告により、100万人のウイグル族や他のトルコ言語話者の少数民族が、思想矯正を理由に「再教育施設」に収容されていると指摘した。
中国政府は一連の批判内容を否定し、「自主的な訓練施設であり、職業訓練や過激派思想からの脱却」と説明している。1月、政府は「イスラム最適化」法案を通過させ、向こう5年でイスラム教を社会主義に調和させるという。
多くのイスラム国家は、共産党当局による融資や援助を受けており、この非人道的な大規模収容や信仰弾圧について、強い態度を示していない。
(編集・佐渡道世)
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