中国医療品メーカー1300社の対米輸出、同じ架空の販売代理店を利用=WSJ

2020/06/16 更新: 2020/06/16

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)6月12日付によると、少なくとも1300社の中国医療機器・医療品企業が、中共肺炎(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大の中、米デラウェア州にある中国系企業、CCTCサービス(CCTC Service Inc.)を、米国での代理店に指定した。しかし、CCTCサービスは架空の会社だという。

米司法省は6月初め、中国のマスクメーカー、金年包装印刷有限公司(King Year Packaging and Printing Co.Ltd.)が米国で偽マスク50万枚を販売し、米監督当局である食品医薬品局(FDA)に虚偽の会社情報を報告したとして起訴した。起訴状は、司法当局が同社の米国代理店であるCCTCサービスに電子メールを送り、質問を行ったが、同社から返答はなかったと明らかにした。米司法省は、「CCTCが偽の会社である可能性が高い」との見解を示し、米政府の監督管理を避けるために設立されたと指摘した。

CCTCサービスが販売している中国製のN95マスク、手術用マスク、手術室で使う靴カバー、抗菌・抗ウイルス剤入りのN95マスク、防護服など、中共ウイルスが大流行している現在、多くの医療施設で使われているという。

同報道によれば、米政府の規定では、すべての外国医療機器企業は米国で代理店を設立する必要がある。商品のリコールなど緊急問題が発生した際に、米FDAが米代理店を通じて海外メーカーに連絡する。このため、米政府は代理店に対して、実在の住所や電話番号を使用するよう要求している。

WSJの調査では、1300社以上の中国企業がCCTCサービスとの間で代理店契約を結んだにもかかわらず、米国の法人登録情報にはCCTCサービスが存在しないことが判明した。調査員が同社の住所をもとに、デラウェア州ウィルミントン市を訪ねた。そこに3階建ての建物はあったが、建物の住民らはCCTCサービスと中国企業について「何も知らない」と話した。

CCTCサービスの親会社は中国深セン市にある深セン欧華検測技術有限公司(Shenzhen CCT Testing Technology Co., Ltd.)。同社の担当者はWSJに対して、「われわれは偽の会社ではない」と主張しながら、米国でCCTCサービスを正式に法人登録したことはないと認めた。

深セン欧華検測技術有限公司は5月13日、コロラド州で新たな現地子会社、CCTC Services United Inc.を設立し、法人登録を行った。しかし、FDAの公開情報には、今年3月にすでにこの新会社の名前が記載されていた。新会社の所在地には、FDAが禁止したレンタルの郵便受けだけが置かれており、会社の電話もつながらないという。FDAの公開情報によると、現在、約50の中国メーカーが、CCTC Services United Inc.を米国の販売代理店に指定している。

FDAは今年5月、在米代理店に問題があるとして、中国メーカー数十社のN95マスク販売許可を取り消した。

(翻訳編集・張哲)

関連特集: 中国