中国は今年に入ってから、日本国債を「爆買い」し、7月に2017年1月以来の過去最高記録を更新した。一方、米国債保有残高を縮小させている。経済専門家は、中国のこのやり方は、中国経済にリスクをもたらすとかねてから警告していた。
日本財務省や日本銀行のデータによると、中国は今年4~7月にかけて、期間1年を超す中長期の日本国債の購入額が1.46兆円。前年同期の3.6倍に膨らんでいる。
中国が購入した日本国債の規模は、7月だけでも7239億円に達し、2017年1月以来の月間最高記録を更新し、現在、中国は日本国債の買い手としては米国に次いで第2位となっている。
香港紙アップルデイリーは10月6日、モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一エクゼクティブディレクターの分析を引用して「中国は保有する米ドルの一部を使って日本国債を購入している可能性がある」と伝えた。
中国は最近、9月末の外貨準備金は3兆1425億6200万米ドルと発表しており、8月より0.7%減少した。
中国は日本国債を「爆買い」する一方で、今年に入って、米国債保有残高を縮小させている。米財務省の最新のデーターによると、中国の米国債保有額は7月に1兆730億ドルに減少したという。
中国政府系メディア「環球時報」は9月3日、米中対立の激化を受けて、中国は米国債の保有を2000億ドル削減する可能性があると報じた。
「軍事衝突や、米国が中国や香港にSWIFTドル決済システムの利用禁止などの金融制裁を科した場合、中国は米国債の保有量を大幅に削減するだろう」と同報道は上海財経大学の奚君羊教授の発言を引用して報じた。
しかし、中国経済界の一部には、米国債の保有量を減らすことに対し、反対意見を表明する人もいる。元中国人民銀行副総裁で、中国経済の専門家でもある王永利氏は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)流行後、「米ドル保有量の大幅な削減は、中国にとって非常に危険だ」と警告していた。
王氏は、「中国の外貨準備金3.1兆ドルのうち、実質の米ドル準備金は2兆ドル未満である。国際的な中心通貨である米ドルの割合を大幅に減らし、他の通貨にシフトすることは、常識に反するうえ、大きなリスクをもたらす」と分析した。
中国の民間シンクタンク「中国金融40人フォーラム」の上級研究員である管濤・元国家外貨管理局(SAFE)国際収支局長も、パンデミック発生後、王氏と同様の見解を示している。
管氏によると、「米国債はリスクも利回りも低く、流動性が高いという特徴があるため、米国債は依然として各国の外国為替準備金の重要な配分、核心的資産、リスク回避資産であることに変わりはない」という。
管氏は、米国債保有額は去年4252億ドル増加したというデータを引用し、外国人投資家の米国債への投資の増加傾向を示した。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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