動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)の従業員が、米国のジャーナリストの個人情報に不正にアクセスしていたことが明らかになった。米フォーブスなど複数メディアが報じた。
報道によると、外部の法律事務所が実施したバイトダンスの内部調査で判明した。バイトダンスの従業員は、中国政府と同社との関係をリークしたジャーナリストを特定するため、彼らのIPアドレスや、その他の個人情報に不正にアクセスしていた。対象者にはフォーブスのほかフィナンシャルタイムズのジャーナリストも含まれるという。
調査を受けてバイトダンスは、不正アクセスを主導していた内部監査・リスク管理部門の責任者を解雇した。不正に関わった中国の社員は辞職したと報じられている。
社内で「プロジェクト・レイブン」と呼ばれるこの内部調査は、中国にいる同社従業員が米国の利用者データを閲覧していたとする新興メディアの報を受けて開始された。
ユーザーの位置情報やキー入力の監視など、ティックトックのセキュリティリスクをめぐり、米国では州政府機関デバイスで同アプリを使用することを禁じる動きが相次いでいる。最近では、中央情報局(CIA)のバーンズ長官が中国共産党による反米作戦に利用される可能性があると警告した。
米上院は14日、連邦政府が所有するすべてのデバイスでTikTokの利用を禁止する法案を全会一致で可決した。下院を通過し、バイデン大統領が署名すれば成立する。
エポックタイムズは、バイトダンスにコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。
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