今、世界で臓器収奪を止める動きが加速している。台湾立法院は「生体臓器収奪の阻止と撲滅に関する法案」の整備を進めており、地方議会もこの動きを追う。台北市議会は21日、臓器売買禁止および中国で臓器移植を行わないことを呼びかけるよう台北市政府に求める決議案を通過させた。
台北市議会は「生体臓器収奪の阻止と撲滅に関する世界宣言(UDCPFOH)」の法整備運動に呼応する形で、法案を可決した。同法案の決議は、桃園市に続いて二例目となった。
法案の3つのポイント
本決議案は3つの重要な点を含んでいる。1つ目に、臓器収奪を反人道的行為として強く非難した。2つ目に、「生体臓器収奪の阻止と撲滅に関する世界宣言」が各国で進める反臓器収奪法案の整備を支持している。3つ目に、台北市政府に対し、中国共産党(中共)による暴虐行為を人々に知らしめ、「人体臓器移植条例」が定める海外の臓器売買の禁止および中国での非合法的な臓器売買・臓器移植の禁止を人々に呼びかけるよう求めた。
同法案を提出した民進党の洪健益市議は、「この法案は普遍的な価値観を象徴しており、世界が抱く共通の理念でもある」と指摘。自分の家族が見知らぬものにだまされ、外国に体を売られて臓器を強制摘出されるのを想像すると、誰もがひどく心を切り裂かれるような気持ちになる。だからこそ、このような普遍的な価値観は皆が共に固く守っていくべきだと述べた。
洪健益氏はさらに、「畜生呼ばわりするのは憚られる」が、このような人間性のかけらもない行いは、人の為せる業ではないと回答。各地方議会は同様の決議案を通過させ、この悪行を非難すべきだと語った。
国民党の徐弘庭市議も同様に、臓器収奪、臓器売買、およびドナーの同意を得ない臓器移植は普遍的な価値観に反するものだと指摘。いかなる国や地域もこのような行いがあってはならないという考え方が、今回、超党派の支持を受けた理由だと述べた。
さらに、この法案可決を通じて「我々が住むこの場所において、いかなる者の臓器も本人の同意を得ないうちに摘出されたり、売買、あるいは商品化されてはならない、という価値観は守らなければならない」と述べた。
無所属の徐立信市議は、中共による臓器収奪はすでに「民衆から怒りを買っている」と指摘。民意はよく水の流れに例えられ、徐立信氏は「民意に従うものは栄え、民意に逆らうものは滅ぶ」と述べた。
過去の歴史において、確かに強制収容所や人体実験などの暗い出来事が起こりはした。しかし、この21世紀において、まだこのような臓器売買や臓器収奪、さらには多くの家族に悲劇を引き起こした組織的な詐欺はもう存在するべきではない、全世界がこの問題を重視して欲しい、と強調した。
民進党の何孟樺市議は、中共による臓器収奪は世界中から非難が集まっており、このタイミングで同法案を通過させることができたのは非常に価値があり、いつか中国に信仰の自由が訪れることを願っている、と述べた。
「我々は世界の自由・民主主義陣営と同じ側に立っている」。何孟樺氏は、各地方議会が立ち上がり、人々が認める価値観のために共に声を上げることを願った。
民進党の李建昌市議は、各地方政府および議会が法整備、教育、および刑法による規制を通して、「この全体主義的な専制国家の下で、こういった臓器収奪という暴虐行為が行われている」ことを民衆に知らしめてほしい、と語った。
最も被害を受けたのは中国の法輪功学習者
台湾国際臓器移植関懐協会の白徳雄代表は、同決議案に超党派28人の共同署名が集まったことに言及し、臓器収奪という反人道的行為を非難し、全台北市民を代表して人権と正義を広めたのには意義があると語った。
白徳雄氏は、中共による臓器収奪において中国の法輪功学習者が最も被害を受けており、それが今も続いていることを指摘した。人々が関心をよせ、人類の正義の力を集め、さまざまな方法を使って(臓器狩り)を止めるべきだと話した
2022年、台湾の立法委員らが多数集まり国際記者会見を開催した。同会見では「生体臓器収奪の阻止と撲滅に関する法案」の整備の推進が宣言され、人権ファイアーウォールの構築および中共による臓器収奪の停止を国際社会全体で推し進めるよう呼びかけられた。このほかにも、当日は欧米日韓の議員20名近くのビデオメッセージが届き、台湾での法整備の活動を支持した。
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