良心の囚人を殺害し巨万の利益を生み出す中国共産党による臓器狩り。こうした蛮行に対処するため、米共和党のスコット・ペリー下院議員は強制臓器摘出に関与した者に責任を負わせることを目的とした法案を発表した。
「Falun Gong Protection Act(法輪功保護法案)」は、中国共産党による法輪功学習者への強制臓器摘出や不当な投獄といった迫害に焦点を当て、関与する人物に入国禁止などの制裁を科すよう政府に求める。
また、臓器移植の分野で中国との協力を避けることを米国の政策に盛り込み、同盟国や多国間機関と協力して法輪功への迫害を停止するよう迫る。
スコット氏はエポックタイムズの取材に対し「忌まわしい行為で、暴挙だ。容認することはできない。責任を追及しなければならない」と述べた。また、法輪功迫害を「ジェノサイド」と表現し「中国共産党は、党のイデオロギーに合わない者の尊厳を失わせるために、過去の全体主義政権が使った戦術を用いている」と非難した。
法輪功は「真善忍」という3つの理念を指針とする精神修養法だ。心身の健康と道徳性の向上に顕著な効果が見られるとして人気を博したが、中国共産党はこれを脅威とみなし、1999年7月から弾圧政策を実施している。
また、スコット氏は中国国内に限らず「いかなる形であれ」臓器狩りに関与した者は責任を問われると強調した。
「中国の共産党幹部だけでなく、米国で活動している者たちもだ。その中にはこのような不正な利益を得ようとする米国の企業も含まれる」
さらに中国共産党の外科医に臓器移植の訓練を施したり、彼らに医薬品や医学の専門知識を提供したりすることも、「すべて犯罪に加担したことになる」と述べた。
高まる反発
米国では中国共産党による臓器狩りに対する法整備が進む。テキサス州では先月、中国に関連する臓器移植に対して医療給付プランの支払いを禁じる法律が制定された。3月には連邦議会下院で臓器狩りに関与した者に罰金と刑事罰を科す法案が賛成多数で可決した。
他の議員たちも、中国共産党による臓器狩りにさらなる行動を取るよう政府に求めている。
ニール・ダン下院議員とミシェル・スティール下院議員は6月27日、ブリンケン国務長官宛に書簡を送り、中国共産党の臓器収奪に加担する者が在留資格を得ることを制限する措置を早急に講じるよう求めた。
書簡の中では「臓器摘出に加担した中国の医療従事者は、人道に対する罪を犯している」と断じた。
国務省もこうした行為に従事する者への制裁を示唆している。エポックタイムズに寄せた声明の中で「強制的な臓器摘出や移植に関与している、または関与していた」個人は米国への入国を禁じられる可能性があると述べた。
意識改革
ペリー氏は、臓器狩りを非難し、中国の医師らが米国で移植医療技術を学ぶことを規制するよう呼びかける米医師・外科医協会(AAPS)の声明にも言及した。
AAPSは4日付の声明の中で中国共産党に強制された中国人医師や学生が大学やインターンシップを通じて医療知識を吸収しているとして、中国のような全体主義国家の医師に教育訓練を施さないよう米政府と医師に呼びかけている。
「長期にわたって臓器狩りが行われているが、自由世界から注目されていない。しかし世界のすべての人々の意識に訴えかけるために、毎日働き続ける必要がある」とスコット氏。「この事実を知れば、ほとんどの米国人が『それには加担しない』という立場を選択するだろう」
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