オックスフォード大学の数学者兼物理学者が、風力発電の信頼性は歴史的にも科学的にも低く、彼の計算によって、政府は数値的証拠を破棄しながら「風力発電政策に邁進している」ことが明らかになったと主張した。
2015年にパリで開催された国連気候変動会議で化石燃料の削減が決定され、その後、世界中で「本能的な反応として」再生可能エネルギーを受け入れることになったと、CERN(欧州原子核研究機構)の研究者でもあるウェイド・アリソン名誉教授は2023年の論文で述べている。
アリソン氏は、太陽光発電は「非常に弱い」ものであるため、「世界人口の少ない産業革命以前であっても、人々に許容可能な生活水準を与える」ことはできなかったと指摘した。
地球温暖化政策財団が発行した報告書の中で、アリソン氏は、「今日、こうした弱いエネルギー源からエネルギーを収穫するために最新テクノロジーが導入されている。
自然環境を独占する広大なウインドウ・ファームなどが建設され、他の生き物に損害を与えている。被害が予測されているのにも拘わらず、開発は行われている。水力発電、巨大タービン、大規模面積を必要とするソーラーパネルが、信頼性が低く非効率であるにも拘わらず建設されている。そうしたものは不必要だ」と述べている。
「特に、風力発電については残念だ。数値的証拠は風力を支持していないが、沖合に設置される洋上風力発電であっても、政治家は熱望し投資家は誇大宣伝を打っている。数値的証拠は実際に何を語っているのだろうか?」と同氏は書いている。
米国エネルギー省(DOE)によると、2021年、風力発電は国内の純エネルギー総量の9%以上を発電し、国内最大の再生可能電力源となった。同省によると、7万基を超えるタービンが稼働し、米国の4300万世帯の需要に相当する電力を供給している。
DOEによると、米国には風力エネルギー関連の仕事が 12 万件あり、国内で最も急速に成長している産業だという。
確たる証拠
アリソン氏は、風力エネルギーは移動する空気の量と、タービンブレードによって掃引される領域での空気速度に基づいて測定されると説明している。
彼の計算によれば、風速が毎秒 10 メートル、変換効率を 100% だとすると、電力は 600 W/m2になるという。したがって、イギリスで計画されているゼロカーボン原子力発電所、ヒンクリーポイントCと同じ出力である32億Wを供給するには、550万平方メートルのタービン掃引面積が必要となる。
アリソン氏によれば、これは、愛鳥家や環境保護活動家にとってまったく受け入れられない話だ。
同氏によると、この技術の性能は100%効率を前提に算出されているが、実際のパフォーマンスは、それよりはるかに悪いという。
「風によって運ばれる電力は風速の3乗に依存するため、風速が半分に低下すると、利用できる電力は8分の1に低下する」と彼は言う。「さらに悪いことに、風速が 2 倍になると、供給される電力は 8 倍に増加するため、タービン保護のためにタービンを停止させなければならない」
アリソン氏は、WindEuropeレポートを引用し「欧州連合と英国で設置されている名目発電容量は毎日236ギガワット(GW)であり、変動がかなり大きい」と指摘している。2021年の最高出力は、同年3月26日の103GWに留まった。
信頼性の低さは洋上風力発電にも及んでいる。電力を貯蔵するために不可欠とされるバッテリーも、現在の技術では厳しい限界がある。このような証拠があるにも拘わらず、政府はその数字を無視し続けているとアリソン氏は語った。
「政府の掲げるエネルギー政策は、多くの科学的推測に基づいて作られている。現在問題となっているエネルギー不足、ヨーロッパでの戦争、価格高騰、電力供給障害の可能性を考えると、エネルギー政策の前提を疑問に思い見直すべきだ。風力発電はあらゆる点で失敗する」と彼は結論づけた。
タービンの故障、二酸化炭素の悪者化
最近、米国全土で風力タービンの故障が頻繁に発生しており、そのような故障が招く追加費用や電力プロジェクトへの影響についての懸念が生じている。環境保護の名の下に配備された洋上風力発電所は、現在、海洋生物にとって悲惨な影響を与えるとみなされている。
風力タービンの故障は、一部の主要コンポーネントの故障などの小さな問題から、本格的な崩壊まで多岐に亘っている。
2022年、ウォレス・マンハイマーがジャーナル・オブ・サステイナブル・ディベロップメントに論文を掲載した。それによると、現代社会は信頼できるエネルギー源に依存しているにも拘わらず、政治家、科学者、メディアからなる強力なロビー団体、つまり「気候産業複合体」が気候関連の虚偽を押し広げ、一般的な視点に転化させようとしているというのである。
元米国海軍研究所の科学者マンハイマー氏は、「こうした動きによって、多くの人たちが、二酸化炭素は地球上の生命に必要であり、呼吸するたびに排出するガスに違いないが、結局のところ環境毒であると納得するようになった。しかし、複数の科学理論と測定結果は、気候危機など存在しないことを示している」と語った。
「人類の文明を通じて、気温はかなりの数の温暖期と寒冷期を経過しながら変動してきた。温暖期の多くは現在よりも気温が高かった。地質時代には、気温と二酸化炭素濃度はバラバラで相関関係がなどなかったのである」と、ハイマー氏は話をまとめた。
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