ノーベル賞を受賞した物理学者のジョン・クラウザー氏は26日、エポックタイムズのインタビューで、若い頃に完成した「非局所量子もつれ」の研究について語った。
その当時、研究は数え切れないほどの反対を受けたが、2022年にその画期的な研究が認められ、ノーベル物理学賞を受賞した。
今回、80歳のクラウザー氏はまた別の広く受けられている信念に立ち向かっている。ところが、今回彼は、科学と政治における最大のタブーになりつつあるものに挑戦している。
量子力学への貢献でウルフ賞を受賞したクラウザー氏は、CO2連合の理事に選出された直後、韓国で最近行われた講演で気候問題に関する意見をいくつか共有した。
IMFによって、演説が「延期」
「Quantum Korea 2023」の講演で、クラウザー氏は「気候変動は危機ではないと思う」と述べ、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)を「最も危険なニセ情報源の一つ」と呼んだ。
クラウザー氏はインタビューで、さらに見解を述べている。ほかの主要な機関とは違い、気候は主に彼が 「雲のサーモスタット」 と呼ぶものによって決定される。「雲のサーモスタット」とは、温度が高すぎると、より多くの雲が地球を覆い始め、その反対もまた然りという自己調整プロセスである。
また、大気中の二酸化炭素が増加しているという観測結果には同意したものの、二酸化炭素ガスが熱伝達に与える影響は、自然の巨大な雲の循環によって帳消しにされていると主張した。
クラウザー氏は、「二酸化炭素は人間が作り出したものかもしれないし、そうでないかもしれない。どこから来たかは重要ではない」と述べた。
同氏は、気候に関する科学研究が政治の犠牲になっていると信じている。すでに膨大な資金が気候問題に投入されているため、問題はますます深刻だと指摘した。
「私たちは何兆ドルもの話をしている」「権力者は自分たちが 、何兆ドルもの間違いを犯したことを認めたくない」とクラウザー氏は語った。
7月25日に予定されている国際通貨基金(IMF)での演説を受けて、こうした過ちに対する懸念が大きくなったのかもしれない。
近年、IMFは気候変動問題に注目し、特に炭素税を重視している。
IMFの最新の分析によると、排出量の大きい国には炭素税を徴収する必要があり、2030年までに1トン当たり75ドルに引き上げられる必要がある。
講演のわずか数日前、クラウザー氏はIMF独立評価局のパブロ・モレノ局長から、演説をやめてほしいという旨のメールを受け取ったとエポックタイムズに語った。
クラウザー氏は、オバマ政権のスティーブ・クーニン氏が2017年に提唱した「レッドチーム・ブルーチーム」演習のように、気候変動をめぐる議論を白熱させ透明性を高める試みが過去に行われたが、トランプ政権下で失敗に終わったと指摘した。
環境保護庁(EPA)のスコット・プルーイット長官がこのキャンペーンを実施しようとした際、ホワイトハウスのジョン・ケリー首席補佐官に却下された。
一部の観察者から見ると、今回の延期はむしろキャンセルに見えるかもしれない。
新しいスケジュールはない
元サイバーセキュリティ企業のジョシュア・スタインマン氏はツイッターに、「ノーベル賞受賞者であっても、科学に疑問を投げかけることはできない」と投稿した。
IMFの独立評価局が再びクラウザー氏を招待すれば、同氏の発言は当初予定していたものよりも大きな反響を呼ぶ可能性がある。
しかし、ロバート・ケネディ・ジュニアのように、反対派の勢力が根強く残っている場合、クラウザー氏の声はなかなか広がらないかもしれない。
今のところ、この物理学者は屈していないようだ。
クラウザー氏はエポックタイムズに 、「私たちは完全にニセ科学に埋もれている」と語った。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。