安全保障の協力強化を推進する一環として、13日から「日豪円滑化協定」(日豪RAA)を発効させた。
この協定は、自衛隊と豪軍が共同訓練などの際、必要な対応をあらかじめ取り決めるものであり、両国間の協力を円滑に進めるための重要な枠組みである。
太平洋地域における中国への対抗及び、日米豪印4か国の安全保障の一環として位置づけられる。それはまた、日豪関係の新時代を告げるものでもある。
「日豪円滑化協定」は、双方の軍隊が相手国を訪問する際、ビザ(査証)手続きを免除し、武器・弾薬の取り扱いや、訓練の効率化、事故裁判権などについて、あらかじめ合意され、この合意に基づき、日本のF-35戦闘機は豪州のダーウィン郊外に位置するRAAFティンダル空軍基地に配備される。いっぽう、豪州のF-35戦闘機は9月初旬に日本に送られる予定である。
リチャード・マールズ副首相は、「両軍の関係をより一層深めさせ、緊密な協力を可能にすると同時に、自衛隊と豪軍双方の能力を強化する」と述べ、「日豪両国は、安全保障環境がより複雑化し、安定し繁栄する地域を支えるためにパートナーシップを拡大する必要性を認識している」と表明した。
ロイド・オースティン米国防長官が7月にブリスベンで開催された豪米外務・防衛閣僚協議(AUSMIN)対話で、中国共産党によるいじめの増加を受けて、米豪両国がそれぞれの防衛戦略や兵力態勢に日本を組み込む方法を模索していると発言したことが、今回の関係強化につながった。
豪州と米国はともに、「中国がルールに基づく秩序から、特に海洋領土において逸脱している」ことを懸念していると述べた。
オースティン氏は、また「我々は、すべての国が安全で繁栄し、各国が国際法と国際規範に従い、紛争が強制されることなく平和的に解決される地域を求めている」と述べ、さらに「東シナ海から南シナ海、そして南西太平洋に至るまで、厄介な強制を目の当たりにしてきた」と語った。
豪州、初の4か国合同海上演習を開催
8月10~21日にかけて、豪州東海岸沖で実施されるマラバール演習は、参加国のパートナー間の相互運用性を深めることを目的とし、インド太平洋地域における大規模な軍事演習である。
リチャード・マールズ豪副首相は、豪州で初めてマラバール演習が開催できることを光栄に思っており、近隣諸国と連携し、防衛パートナーシップを深めることは、これまで以上に重要だと述べた。
また、協力、理解の共有、知識と訓練の組み合わせは、私たちの地域の安全と繁栄の共有に貢献する」ものだと指摘した。
いっぽう、豪海軍のマーク・ハモンド副司令官は、演習に関して、「豪海軍と各国海軍が、複雑な課題に取り組むための高度に協力的なチームとして、共に働き、訓練する貴重な機会となった」と述べた。
また、「このような機会を通じて、我々は地域関係を深め、信頼と尊敬に基づく地域に貢献することができると確信している」と語った。
米海軍第7艦隊司令官のカール・トーマス副提督は、シドニーでの記者会見で、この演習は「特定の国に向けたものではない」と述べ、4つの軍隊が互いに協力する能力を向上させるものだと語った。
また、「4か国が取り組む防衛同盟として活動する抑止力は、この地域で活動する他のすべての国々にとっての基盤であり、豪州の北東に位置する島嶼国は、今や全ての国の注目の的だ」と付け加えた。
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