イスラム組織ハマスによるイスラエルへのテロ攻撃は、世界中に波紋を広げている。
「この恐ろしい攻撃を行った同じテロリストたちの憎悪と揺るぎないコミットメント……米国に危害を加えようとする姿勢は健在だ」
トランプ政権時代に米国税関・国境警備局長官代理を務めたマーク・モーガン氏はエポック・タイムズにこう語った。
「まともな神経の持ち主なら『国境は安全だ』と言える人は1人もいないだろう。国境警備隊の目をかいくぐって米国に入国した160万人以上の不法移民の中にテロリストがいる可能性が大いにある」
過去11か月の間に、米テロ監視リストに載っている151人が不法入国後に国境警備隊に逮捕された。一方で「特別な関心を持つ外国人」は入国後に解放されているとモーガン氏は言う。「特別な関心を持つ外国人」とは、イエメン、イラン、レバノン、エジプト、パキスタンなど、国家が支援するテロリスト集団と直接関係のある国の出身者を指す。
「2013年のボストン・マラソン爆弾テロ事件やカルフォルニア州サンバーナーディーノ銃乱射事件のようなテロ攻撃が近づいている。もちろん誰にも予測はできないが、次のテロ攻撃を計画している組織がすでに米国内に存在する可能性がある。これは大げさな話ではない」
米国ではテロに対する懸念がエスカレートしており、特に数千人のデモ隊が各地で街頭演説を行っている。
連邦捜査局(FBI)のクリス・レイ長官は14日、サンディエゴで開催された国際警察署長協会でのスピーチで、法執行官への警戒を怠らないよう呼びかけた。
「誰かが暴力に動員されようとしている兆候をいち早く察知するのはあなたたちだ。この緊迫した環境の中で、通報された脅威の増加は疑いようのない事実だ。最近の事件からヒントを得て暴力を振るう可能性のある単独犯を警戒しなければならない」
一方、FBIは9日に声明を発表し「ハマスの攻撃に起因する米国への脅威を示す具体的で信頼できる情報はない」と述べた。
これに対してモーガン氏はテロを示唆する情報がなくとも、警戒が必要だと強調。ハマスの攻撃のようなテロ事件が引き金になる可能性があると述べた。
「赤子が首を切られ、生きたまま焼かれ、女性が残忍にレイプされ、ビデオに撮られるような行為を支持し、ハマスに賛同している人々が私たちの国にいるのだ」
「深く根付いた非合理的なイデオロギーがある場合、過激化へと駆り立てられ、短時間で行動に移す場合がある。通常ある出来事が引き金となるが、まさに(ハマス攻撃)テロが起こってしまった」
パレスチナの旗を振りかざしたハマスの支持者は14日、ホワイトハウスの外で 「パレスチナを解放せよ」と声を上げた。デモ参加者の中には、ジハード主義グループによく見られる頭や顔を覆う被り物をした者もいた。
国家安全保障の弁護士で地域アナリストのイリーナ・ツカーマン氏は、ハマスの代理人が米国にもたらす脅威について、同様の見解を示した。
「左翼急進派や学会の擁護者、パレスチナの活動家やその同盟者、たとえばここ数日米国中の大都市でハマスと一緒に集会を開いている群衆など、米国にはすでにかなりのハマス支持者がいる」
またFBIの「ハマスの攻撃に起因する米国への脅威を示す具体的で信頼できる情報はない」とした声明についても異論を唱えた。
「FBIは間違っている。ハレド・メシャール氏は支持者たちに欧米やその他の標的を攻撃するよう呼びかけた。その中には、米国や、少なくとも米国内のユダヤ人およびイスラエル人が含まれている可能性がある」
メシャール氏はハマスの前指導者だ。11日にロイターが報じた録音によれば、同氏は次のように語っている。
「ジハード(聖戦)を教えるすべての学者たちへ……教え学ぶすべての人たちへ、今こそそれを実践するときだ」
10月8日、Kata’ib Sayyid al-Shuhada(KSS)と呼ばれるイランの代理テログループは、イスラエルとハマスの紛争に関与しないよう米国に警告した。
「パレスチナはウクライナではない。米国がイスラエルのためにこの紛争に介入してきた場合には、われわれはこの地域のすべての米国の拠点を合法的な標的にするだろう」
この過激なグループは、イランがこの地域で政治的アジェンダを推進するために利用している多くのグループの一つである。もう一つはレバノンのヒズボラで、同組織はハマスとの最新の対立の中でイスラエル人を拘束していると報じられている。
ハマスやKSSと同様、ヒズボラもイランが資金提供するイスラム・テロ集団だ。2020年、米国務省はイランがハマスに年間1億ドル、ヒズボラにさらに7億ドルの援助を行っていると発表した。
これらの組織の活動はほとんどが中東に限定されているが、ヒズボラは米大陸で活動する小規模テロ組織をもっている。
(つづく)
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