米ニューヨーク市警察(NYPD)の警察官辞職が相次いでおり、市民からは犯罪の増加に一層拍車がかかるのではと懸念の声が挙がっている。
エポックタイムズが入手した警察年金のデータによると、2023年にNYPDを辞職した警官の総数は2516人。これは過去10年間で4番目に多く、2018年比で43%増加した。さらにデータによれば、年金を満額受給するのに必要な20年に達する前に辞職する警官の数は、2020年以降104%増加している。
2020年の黒人男性ジョージ・フロイドさんの暴行死を契機に予算削減など警察の改革を訴える声が強まり、警察官の退職希望者が増加傾向にある。警察慈善協会のパトリック・ヘンドリー会長はエポックタイムズに対して「国内最大の警察組織の保護と奉仕の能力が危険なレベルまで損なわれている」と述べた。
また相次ぐ辞職により現職警官の時間外労働が増加し、悪循環が発生、より多くの離職に繋がっていると指摘した。
犯罪増加の懸念
ニューヨーク市全体で犯罪が急増するなか、警官辞職により警察力の低下を招くのではと指摘される。
現在、ニューヨーク市では暴行、刺傷、殴打を受ける警察官と市民が増加している。新たに発表されたNYPDの犯罪統計によると、1月1日〜3月31日までに、市全体で1251人の警察官が勤務中および非番のとき暴力を振るわれ、2022年第1四半期の949人を上回った。
ニューヨーク市にとどまらず、全国の警察署が人員不足に直面し、地方自治体が危機的な状況に陥っている。
8月には、給与が低いことを理由にミネソタ州グッドヒュー警察署の署長以下、全署員が一斉に辞職した。先月、マサチューセッツ州警察の警察学校の訓練アカデミーでは、訓練開始数週間で数十人の州警察訓練生が「意欲が湧かない」として退学したという。
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