米国のテクノロジー大手であるマイクロソフトのWindowsオペレーティングシステムが、7月19日(金)に予告なしに技術的な不具合を起こし、大規模なシステム障害が発生した。これにより、世界中の多くの航空会社、銀行、メディア機関、企業の運営に影響が及んだ。
「マイクロソフトのブルースクリーン」に関連する多くの話題が、中国のソーシャルメディア、ウェイボーで急上昇し、ランキングのトップとなった。多くの中国ネット民は、この事件が、米中戦争が勃発した場合、アメリカが中国のネットワークを麻痺させるリスクを浮き彫りにしていると考えている。
予期せぬ事態の後、今回の技術的な不具合の原因となったクラウドストライク(CrowdStrike)の最高経営責任者ジョージ・カーツ氏は、問題が発見され解決されたことを発表した。
クラウドストライクは、すでに顧客に修正プログラムを送信しているが、修正には時間がかかる可能性があると述べた。カーツ氏は、この意外な事件が引き起こした影響について、深くお詫びするとしながらも、今回の事件はセキュリティ事故やサイバー攻撃ではないと強調した。
中国における影響
中国では、マイクロソフトのサーバー故障も関心を引き、「マイクロソフトのブルースクリーン」に関する話題がウェイボーのホットトピックになった。多くのネット民は、今回の故障で主に影響を受けたのは、正規のマイクロソフトシステムを使用している外国企業であると指摘している。
ネット民のコメントには、「要するに正規版が問題を起こしているが、海賊版は安全だ」「CrowdStrikeは基本的に企業版のみであり、中国本土ではサービスを提供していないため、影響を受けたのは主に外国企業だ」「外国企業だからこそ正規版をインストールしている」といった声が多く見られる。
中共が技術自立か、それとも崩壊か
近年、中国共産党(中共)は国産ハードウェアとシステムで海外のハードウェアとシステムの置き換えを試みている。同時に、中国のネット民が関心を持つもう一つの議題は、今回のマイクロソフトの故障が中国に与えた影響は、アメリカほどではないものの、米中戦争が勃発した場合、アメリカが戦場で優位に立つためにサービスを停止させる可能性があるという点だ。
時事評論家の李林一氏は、大紀元の取材に対し、「このマイクロソフトのシステム障害事件は、中共(中国共産党)がテクノロジー分野で『自力更生』について強化する考えを持つ可能性がある」と分析している。
中共が懸念しているのは、将来西側諸国と戦争が勃発した場合、もしマイクロソフトのシステムに依存していると、マイクロソフトが意図的に全ての関連システムを停止させることで、中共の各種システムが麻痺する恐れがあるという点だ。
ウェイボー上のネット民は、「戦争が始まったらどうする? 今わかったのか?」「アメリカと戦った場合を想像してみて」「恐ろしい。マイクロソフトのブルースクリーンで、大部分のコンピュータシステム業界が影響を受ける。アップルやテスラを考えてみて、やはり国産システムを早く作るべきだ」とコメントしている。
中共は、対外的な軍事挑発と戦狼外交を続けており、台湾海峡、南シナ海、東シナ海で問題を引き起こしているため、アメリカやその同盟国との関係が悪化し続け、貿易、経済、外交、テクノロジー、金融などの分野で全面的な封鎖に直面している。
時事評論家の王友群氏は、「今後、中共は一連の誤った判断と決定により解体へと向かうだろう」と考えている。
米中戦争の可能性と技術依存
米中戦争が勃発する可能性について、ラジオ・フリー・アジアの報道によると、アメリカの国防産業で働くネットワークエンジニアのサイモン氏は、アメリカ政府が戦時中にアメリカ企業に対し中国へのサービスを停止するよう要求する可能性があると述べている。
サイモン氏は、中共政権の最終目標はその政権システムが完全にマイクロソフトを必要としないようにすることだと考えている。現在、中国の軍事関連の主要なテクノロジーはこの目標を達成している可能性があるが、一部の政府部門が提供する民生サービスはまだこの目標に達しておらず、依然としてマイクロソフトのサービスを使用する必要がある。
一方、ニューヨークに拠点を置く米中科技交流協会の会長、謝家葉氏はラジオ・フリー・アジアの取材に対し、マイクロソフトの故障は単一の偶発的な事件であり、中国の人々は過度に解釈したり反応したりする必要はないと述べている。
「中国のネットユーザーがどこからこのような思考を持ち出したのかは分からないが、アメリカのシステムを使用しなければ、ネットワークが完全に安定するというわけではない。
中共自身のシステムでも障害が発生する可能性がある。このような事故は完全に起こり得る。私は、人々が極端な見方をせず、偶発的な事故として冷静に捉えるべきだと思う」と述べた。
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