飛天大学教授 チャールズ3世戴冠記念メダルを受賞 中国伝統文化の復興に尽力

2025/02/23 更新: 2025/02/23

カナダのトップバレエ学校で講師を務め、世界的に有名な神韻芸術団のアーティストであるティア・チャン(張鐵鈞)氏が、国王チャールズ3世戴冠記念メダル(King Charles III Coronation Medal)を授与された。

中国でバレエ舞踊家として活躍していたチャン氏は、40年以上前にカナダへ移住。その後、トロントのナショナル・バレエ・スクールで20年以上にわたり指導を行った。その後、神韻芸術団に加わり、中国古典舞踊の復興と伝統文化の復興に尽力してきた。

チャン氏は長年にわたり、神韻芸術団の1つの分団の公演マネージャーとして世界各地の公演を統括するとともに、芸術団の理念の普及を支援してきた。現在は、ニューヨークの飛天大学で指導にあたり、神韻の舞踊家たちの育成に携わっている。

2月13日、トロント市庁舎で行われた授賞式で、カナダのスパディナ・フォートヨーク選出の国会議員ケビン・ヴオン氏がメダルを授与した。

「カナダ社会への貢献の証」— カナダ議員が功績を称賛

ヴオン議員は、チャン氏の尽力により神韻の舞台芸術が世界中の人々に届けられていることを強調し、「トロント市民として、そしてカナダ人として、私は誇りに思う」と語った。

「トロントはティア氏を通じて、世界中の人々が神韻を鑑賞し、その舞踊やパフォーマンスが生み出す魔法のような力を感じられるよう手助けをしている。これは、とても意義があり、称賛すべきことだと思う」

戴冠記念メダルは、2023年5月のチャールズ国王の戴冠を記念して創設され、カナダ社会に卓越した貢献を果たした人物に授与される。

神韻芸術団のアーティストで元国立バレエ学校講師のティア・チャン氏(中央)が、カナダ国会議員のケビン・ヴォン氏(右)と国立バレエ学校スタッフのデボラ・ヘス氏と写真撮影。2025年2月13日にトロント市庁舎にて。チャンはチャールズ3世戴冠メダルを授与された(Xuewen Song
/epochtimes)

授賞式でチャン氏は、今回の受賞が自身だけでなく、中国伝統文化に深く根ざした古代の知恵と価値観を広めることで、神韻がカナダ社会に貢献したことを認めるものだと述べた。また、多くの神韻芸術家は、この古代文化に含まれる「真・善・忍」の原則を大切にする法輪功の修行を通じて、内面の純粋さを磨いており、それがパフォーマンスにも表れていると付け加えた。

神韻は、海外在住の中国の一流芸術家たちによって創設され、音楽と舞踊を通じて中国伝統文化を復興し、世界に届けることを使命としている。

「超党派の支持」

今回の受賞に際し、カナダの与野党議員から祝辞が寄せられた。ヴオン議員は、これを「超党派の支持」とし、チャン氏と神韻に対する全国的な評価であると述べた。

カナダ自由党のジュディ・スグロ議員は、チャン氏の貢献を「文化継承の先駆者」として称えた。

「これは、真・善・忍の理念を広めることへの揺るぎない献身、そしてカナダの社会において中国の伝統文化を保存し、復興させるためのたゆまぬ努力が正当に評価されたものだ」

自由党議員のジュディ・スグロ氏は、ティア・チャン氏がチャールズ3世戴冠メダルを受賞したことを記念して、祝辞を送った

カナダ保守党の副党首であるメリッサ・ランツマン議員も、「舞踊を通じて文化史を守る」チャン氏の努力を高く評価し、「数百万もの人々に喜びと啓発を与えた」だけでなく、悪意ある攻撃が続く中で、自由・民主主義・正義といった価値観を守る上でも重要な役割を果たしていると述べた。

カナダ保守党の副党首であるメリッサ・ランツマン議員もティア・チャン氏がチャールズ3世戴冠メダルを受賞したことを記念して、祝辞を送った

また、カナダ保守党のガーネット・ジェニュイス議員は、チャン氏の「法輪功弾圧への抗議と人権擁護活動」を評価し、「永続的な影響」を与えたと称賛した。

「あなたが神韻の舞台を通じて果たした役割は、観客に中国文化の美しさを体験する貴重な機会を提供した。あなたの貢献は、貴重な文化遺産を守るだけでなく、カナダの自由と正義という価値観をも反映している」と、ジェニュイス氏は記した。

保守党議員のガーネット・ジェヌイス氏は、ティア・チャン氏がチャールズ3世戴冠メダルを受賞したことを記念して、祝辞を送った

さらに、トロント市議会のジェームズ・パスターナック議員も、「60年にわたる舞台芸術への献身」を称え、「地域社会に貢献した才能ある個人をトロント市は誇りに思う」との祝辞を寄せた。

トロント市議会議員のジェームズ・パステルナック氏は、ティア・チャン氏がチャールズ3世戴冠メダルを受賞したことを祝福した

ランツマン氏はまた、チャン氏の「功績は、もう一つの重要な偉業の中で成し遂げられた」と指摘した。それは、「神韻と法輪大法が、自由を尊重するカナダ国民の権利や、私たち全員が大切にすべき普遍的な人権を脅かそうとする勢力からの長年にわたる攻撃にも屈せず、生き抜き、発展を遂げてきたこと」である。

自由を求める権利

昨年、神韻は中国共産党(中共)による国境を越えた弾圧の標的となった。この弾圧には、虚偽情報を用いた宣伝戦や法律を悪用した圧力(ロー・フェア)などが含まれ、神韻の活動をアメリカおよび世界各地で阻止し、神韻の舞踊団の多くのアーティストが信仰する法輪功の排除を狙うものとされている。

法輪功は1992年に中国で公開された精神修養法だが、1999年以降、中国共産党による大規模な弾圧を受けてきた。中共政権は、恣意的な拘束、強制労働、肉体的・性的・精神的虐待、さらには生体臓器摘出といった手段を用いて、法輪功学習者を迫害している。近年では、法的手続きを利用した圧力(ロー・フェア)や虚偽情報の拡散を通じて、海外に住む学習者をも標的にする戦略が導入された。

神韻は、中共が1949年の政権掌握後に破壊してきた中国伝統文化の復興を目指し、現代中国における人権侵害を伝えることを使命としている。このため、神韻は中共による脅迫や嫌がらせ、誹謗中傷キャンペーンの標的となっている。神韻の舞踊団の公式サイトによると、2006年の設立以来、こうした妨害行為は世界各地で130件以上報告されている。

「神韻の使命は、共産党が何十年にもわたって破壊し、自らのイデオロギーに置き換えようとしてきた伝統的な中国文化の復興です」と、神韻は公式声明で述べている。

公演先で相次ぐ脅迫

2024年の神韻バンクーバー公演では、公演予定の劇場に爆破予告が寄せられたことを、バンクーバー警察の報道担当者がエポックタイムズに明かした。カナダ政府の外国勢力介入に関する調査委員会に提出された文書では、この事件について「中共が関与した可能性が高い」と指摘されており、同様の爆破予告がアメリカや台湾でも報告されている。

さらに、2025年の神韻ワールドツアーが進行する中で、類似の脅迫事件が各地で発生している。今年2月初旬には、フランスの劇場に脅迫メールが送られる事件も起きた。

カナダ議員「自由を守るべき」

こうした脅迫について、カナダの国会議員ケビン・ヴォン氏は、カナダ国民には「嫌がらせや脅迫を受けることなく自由を享受する権利」があると強調し、中共による国境を超えた弾圧は「カナダにとって現実的な問題」だと述べた。

ヴォン氏はエポックタイムズに応じ、「この国で素晴らしい芸術と文化のパフォーマンスを見ることを、なぜ誰もが恐れなければならないのか、私にはわからない」「カナダの多文化主義は、異なる文化が共存し、共通の価値観と民主主義の理念のもとに団結するものだ。自由と平等のもとで、誰もが神韻の公演を楽しむ権利を持っている」と述べた。

ヴォン氏は昨年、トロントのフォーシーズンズ・センター・フォー・ザ・パフォーミングアーツで神韻の公演を鑑賞しており、今年3月の公演も足を運ぶ予定だという。

 

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