ジョン・ラトクリフCIA長官は3月5日、トランプ政権がウクライナへの軍事支援を停止した後、同国との情報共有も中止したことを明らかにした。
ラトクリフ氏は5日、FOXニュースのインタビューで「トランプ大統領は、ゼレンスキー大統領が本当に和平プロセスに取り組んでいるのか疑問を持っていた」と述べた。
また、軍事支援と情報共有の一時停止について「一時的な措置」と強調し、「アメリカは今後再びウクライナと緊密に協力するだろう」と強調した。
また、「トランプ大統領は世界の平和を推進するため、すべての国に責任を負わせるもりだ」と述べた。
トランプ大統領 ロシア・ウクライナ戦争の終結を求める
トランプ大統領は選挙活動中から、「ロシア・ウクライナ戦争の終結を目指す」と繰り返し主張しており、両国の甚大な損失を踏まえ、「無意味な戦争」と見なしている。
ラトクリフ氏の発言に加え、国家安全保障担当のウォルツ大統領補佐官も3月5日にCBSニュースに応じ、「アメリカは現在、安全保障関係全体を見直している」と述べた。これは、ウクライナとの情報共有の一時停止について問われた際の発言だった。
ウクライナへの情報提供とその影響
アメリカ政府はこれまで、ウクライナがロシア軍と戦うために重要な情報を提供してきた。特に、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻当初、ロシア軍がキーウを占領しようとした際に、その作戦を阻止するための情報を提供したことは大きな役割を果たした。
しかし先週、ホワイトハウスでのゼレンスキー氏との口論後、SNS上で「ゼレンスキー氏は和平を望んでいないと考える」と発言していた。
ウクライナの反応と鉱物資源契約
アメリカの支援停止を受け、ゼレンスキー大統領は3月4日に声明を発表し、「和平交渉の準備ができている」と表明した。また、ウクライナの鉱物資源に関する契約の締結に前向きな姿勢を示した。
ウォルツ氏は5日のインタビューで、この契約について言及し、「ウクライナ側が和平交渉に向かっていると楽観視している」と述べた。
「次回の交渉の場所、代表団の構成、議題について、良い話し合いが進んでいる。ゼレンスキー大統領の声明からわずか24時間の間に、実質的な進展があった」とウォルツ氏は語り、交渉が近いうちに進展するとの見解を示した。
アメリカ国内の反発
一部の民主党議員は、ウクライナへの情報提供の停止を強く非難している。上院情報特別委員会のマーク・ワーナー副委員長は、「これは誤った判断だ」と述べ、トランプ大統領が「アメリカの力をロシアに渡した」と非難した。
「はっきりさせておくが、ウクライナへの情報提供を停止すれば、ウクライナ人の命が失われる」とワーナー議員は声明で警告した。
トランプ氏は3月4日の執政方針演説で、「キーウはウクライナの重要な鉱物資源の活用に関する契約を結ぶ準備ができている」と述べた。この契約はアメリカの軍事支援にかかった費用を回収するために必要だと強調した。
また、「ロシアと真剣な交渉を進めており、和平に向けた強い意向を示している」と明かした。
トランプ氏は「この無意味な戦争を終わらせる時が来た。戦争を終わらせるには、双方と話し合う必要がある」と語った。
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