英副首相レイナー氏辞任 印紙税の過少申告で責任認め

2025/09/06 更新: 2025/09/06

9月5日、イギリスのアンジェラ・レイナー副首相が辞任を発表。新居購入をめぐり脱税が発覚したことが理由で、労働党のキア・スターマー首相が率いる政権に大きな打撃となっている。

ロイター通信によると、45歳のレイナー氏はスターマー政権で辞任した8人目の閣僚で、これまでで最も高位の人物である。今年5月、イングランド南部でマンションを購入した際、別の不動産を所有していることを申告せず、その結果、印紙税をおよそ4万ポンド(約5万4千ドル)少なく納めていたとされる。スターマー首相はこれまで全面的に擁護する姿勢を示していた。

レイナー氏は9月3日に問題を認め、スターマー氏宛の辞表で「調査結果や家族への影響を踏まえ、個人的判断として辞任する」と述べ、住宅・地域・地方政府担当相と労働党副党首の職も辞任した。

また「この過ちに対して自分が全責任を負う。専門家に税務の助言を求めなかったことを深く後悔している」としている。

スターマー氏は「政府の一員として失うのは非常に残念だ」としつつ、「労働党内で重要な人物であることに変わりはない」と強調した。しかし、これ以上擁護を続けることはできなかった。

一方、世論調査では労働党がナイジェル・ファラージ氏率いる改革党(リフォーム UK)に後れを取っている。ファラージ氏は「政権は深刻な危機にある」と指摘し、2027年より早く総選挙が行われる可能性を示唆した。

スターマー氏は5日に内閣再編に着手し、副首相に外相のデイヴィッド・ラミー氏を任命した。BBCによると、新たな外相には内相のイヴェット・クーパー氏が就任するという。

また、下院院内総務のルーシー・パウエル氏が辞任し、スコットランド担当相のイアン・マリー氏も退任した。

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