平野雨龍氏 衆院選大分3区から出馬表明 「国・暮らし・未来を守る」 3つの柱掲げ 香港での経験が原点

2025/12/09 更新: 2025/12/09

元舞台女優・着物モデルで、政治団体「雨龍会」代表の平野雨龍氏(31)は、次期衆議院議員選挙に大分県第3区から立候補する決意を正式に表明した。

平野氏は特定の政党に属さず、国と地域の未来を最優先に判断する政治を貫くと強調。その政治の道への原点は2019年の香港民主化運動にあるとし、「国を守り、暮らしを守り、未来を守る」という「3つの柱」を掲げ、日本の独立と安全保障の立て直しを目指す考えだ。

平野氏は1994年千葉県生まれの31歳で、現在は大分県中津市を拠点に活動しており、今年7月の参議院選挙では東京選挙区から無所属で出馬し、23万5,411名の支持を得た経緯がある。

記者会見のポイント

平野氏はまず、先日発生した大分市佐賀関の火災の被害者へ心よりお見舞いを述べ、こうした事案を通じて見えてくる防災インフラの更新や消防体制の強化が国として取り組むべき重要なテーマであると指摘した。

平野氏が掲げる政策の具体的な「3つの柱」は以下の通りである。

  1. 国を守る: 軍事だけでなく、情報、経済、土地、文化、そして国民の誇りといった「日本が日本であり続ける力」を守ることを重視する。具体的には、スパイ防止法の制定、外国資本による土地買収の厳格な規制、認知戦への防衛体制の整備、自衛隊の装備・情報力の強化、入国管理・帰化制度の適正化を求め、安全保障の観点から外国人政策全体を見直すとしている。国を守るということは、「何かが起きてから守るのではなく、起きないように備え続けること」であると訴えている。
  2. 暮らしを守る: 大分3区(中津、宇佐、豊後高田、杵築、国東、日出、別府)で聞いた切実な声に基づき、高齢者の移動支援、医療・買い物のサポート、農林水産業と中小企業の再生、生活インフラの老朽化対策など、日々の不安を解消できる政治を目指す。特に、杵築市・日出町の土葬問題については、住民の理解と合意がないまま進む計画に反対の姿勢を示し、「現場を見る政治」を掲げた。
  3. 未来を守る: 子ども、家族、教育が国家の「根っこ」であるとし、①精神の教育(古事記・日本書紀を精神の支柱とし、国に誇りを持つ教育)、②歴史の教育(戦争史を含めた事実に基づく教育)、③技術の教育(AI、金融、デジタルなどの基礎を義務教育から学ぶ)、④家族の支援(第一子からの保育料無償化や住宅支援)を重点的に進めるとした。

出馬の背景と原点

平野氏が政治の道を志した原点は、2019年の香港民主化運動にある。現地で催涙ガスを浴び、仲間が暴力を受け、自由が奪われていく光景を「痛みとして受け止め」、「日本も決して他人事ではない」という強い危機感が胸に燃え始めたと述べている。

平野氏は、「政治家を選んだのではありません。守るべきものを守れないまま失う恐怖が、私をこの道に立たせたのです」と強調した。今の日本は人口、産業、安全保障、教育などあらゆる分野で「“待ったなし”の状況」にあるとし、「誰かがいつかやってくれる段階はもう終わった」として、「今、立ち上がらなければならない」という強い使命感を表明した。

大分3区を選んだ理由については、この数ヶ月大分を歩いた中で現場で生まれた「切実な声」の積み重ねが導いた結果であるとし、この地には「日本全体の課題と希望が最も濃く存在している」からだと説明している。

今後の予測と目指す方向

平野氏は、次期衆議院議員選挙において、政党に属さない無所属の立場を貫き、徹底した現場主義(「現場を見る政治」)に基づき活動を進めるものと予測される。

政策面では、香港での経験から得た安全保障や情報戦への危機感を政策の核としつつ、大分3区の地域特有の課題(交通手段の不足、中小企業や農林水産業の再生、生活インフラの老朽化、土葬問題など)を両立させて訴える姿勢が明確である。

平野氏は、「静かに衰退するのか。それとも、もう一度立ち上がるのか」が問われていると結び、「この国に生まれてよかった」と次の世代が胸を張って言える日本を取り戻すことを目標としている。そのため、国政の場で日本の独立と安全保障の立て直し、そして地域に根ざした生活支援策の実現に注力していく考えだ。

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