トランプ米大統領は1月21日、ダボス会議で演説を行った。グリーンランドの戦略的重要性を強調し、アメリカがかつてグリーンランドの防衛を担っていたと指摘。第二次世界大戦後にデンマークへ返還すべきではなかったとの認識を示した。また、デンマークが防衛強化のために拠出すると約束していた資金を、十分に履行していないと批判した。さらに、中露が製造した防空兵器システムの実際の能力についても言及した。
トランプ氏は、「われわれは、私が武力行使を決断しない限り、何も得られないだろう。しかし、正直に言えば、もしそうなれば、われわれは圧倒的だ。しかし、私はそうしない。今、みんなが『ああ、よかった』と言っている。これは私がこれまでに発表した中で、最も重要な声明かもしれない。なぜなら、みんなは私が武力を使うと思っていたからだ。武力を使う必要はない。使いたくない。使うつもりもない。アメリカが求めているのはグリーンランドだけだ。われわれはかつてそこの信託統治者だった。そう遠くない過去(第二次世界大戦後)、これをデンマークに返還した」と語った。
さらに同氏は、デンマークが2019年にグリーンランド防衛のため2億ドルを拠出すると約束したものの、実際に実行されたのはその1%に止まっていると批判した。グリーンランドの永久凍土(2年以上連続して地中温度が0℃以下の凍結した土壌や地盤)のため鉱物資源としての魅力は高くないとしつつも、地理的には北米の一部であり、極めて重要な地域だと指摘した。
演説中、トランプ氏は「グリーンランドはいま十分な防衛体制がなく、アメリカ、ロシア、中国の三国の間に位置する戦略的要衝だ。まさにこの三国の中心にある」と述べた。
さらに、「われわれがデンマークから求めているのは、国家と国際社会の安全を守り、活動的かつ危険で潜在的な敵を阻止するためのこの土地だ。ここに、史上最も強力な『ゴールデンドーム』防衛システムを構築する」と語った。
トランプ氏が年初にベネズエラの独裁者マドゥロ夫妻を生け捕りにしたことを例に挙げ、中国とロシア製の防空システムは機能しなかったと述べた。
トランプ氏は、「(ベネズエラ軍は)『彼ら(米軍)を視認した』と言って、引き金を引いたが、何も起きなかった。防空ミサイルは一発も発射しなかった。唯一発射したミサイルも、高度約3フィート(10メートル)に達しただけで、発射者のすぐそばに落下した」と語り、「これらの防空システムはロシアと中国が製造したものだ」と述べた。
トランプ氏はまた、過去1年間にアメリカが達成した経済的な大きな成果と、国家安全保障の著しい改善について詳しく説明し、ヨーロッパに対してアメリカの成功例から学ぶことができると呼びかけた。
「ヨーロッパの一部地域は、正直に言って、すでに様変わりしてしまった」と述べ、「良くなったのではない。非常に悪くなったのだ。私はヨーロッパを愛しているし、繁栄してほしいと思っているが、現在の進路は正しくない」と語った。
トランプ氏はダボスで、ルビオ米国務長官に対し、外交面で多くを学んだことに感謝した。「彼(ルビオ氏)は上院で、リベラルな民主党員と極右の共和党員の双方から支持を得た。全会一致で承認された唯一の指名者だ」と述べた。
トランプ氏は複数の演説で、ダボスに集まった企業経営者や来賓、各界の指導的立場にある人々への敬意と評価を表明した。大統領は、平和評議会の設立記念行事に出席した後、翌日アメリカへ帰国する予定だ。
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