グリーンランド鉱業権をめぐり米国介入 中共の希土類戦略に影

2026/01/24 更新: 2026/01/24

世界最大の島であるグリーンランドが、最近世界的な注目を集めている。トランプ米大統領が、同地での鉱物資源の権益獲得を進めている。関係者の間では、この動きが中国共産党(中共)による希土類資源の確保ルートを、さらに狭める可能性があるとみられている。

トランプ氏は21日、NATOのマルク・ルッテ事務総長と会談した後、グリーンランドと枠組み協定を締結したと発表した。詳細については多く語られなかったが、その後のCNBCのインタビューで、アメリカが一部のパートナーと共同で鉱物資源の開発に関与すると説明し、「ゴールデン・ドーム」計画や希土類資源が含まれると明らかにした。協力相手については、NATO加盟国ではないかとの見方もあるが、現時点では明確になっていない。

ホワイトハウスのアンナ・ケリー報道官は、関係各方面が詳細を詰め次第、公表するとした上で、協定が成立すれば、アメリカは比較的低いコストでグリーンランドにおける戦略目標を達成できるとの見解を示した。

希土類が重要視される理由は、磁石の主要原料である点にある。磁石は、国防、ロボット、EVなどの先端産業に幅広く利用されている。中共は長年にわたり、世界の希土類サプライチェーンを掌握し、貿易上の圧力手段として用いてきた経緯がある。このため、アメリカは現在、「脱・中共依存」を掲げ、独自の希土類供給体制の構築を進めている。

米地質調査所の2024年のデータによると、グリーンランドの希土類埋蔵量は約150万トンで、世界第8位に位置する。

一方で、中共はすでにグリーンランドへの関与を進めてきた。南部にあるクヴァネフィエルド希土類プロジェクトには、中国企業の盛和資源が投資していた。同プロジェクトは埋蔵量が非常に大きく、確認されている陸上希土類鉱床の中でも世界有数の規模とされている。

グリーンランド政府は2021年、ウラン採掘の禁止を理由に開発を停止し、現在も法的な争いが続いている。希土類調査会社アダマス・インテリジェンスの創業者、ライアン・カスティルー氏は、アメリカが優先的な採掘権を獲得した場合、中共系企業が再び交渉の場に戻ることは難しくなるとの見方を示している。

このほか、グリーンランドには「タンブリーズ」と呼ばれる別の希土類プロジェクトがあり、米ニューヨークに拠点を置くクリティカル・メタルズ社が開発を進めている。同社は、タンブリーズが世界最大級の希土類鉱山の一つだとしている。米輸出入銀行は、同プロジェクトに対し、1億2000万ドル(約187億円)の融資意向書を発行しており、これを受けて同社の株価は21%上昇した。

ロイター通信によると、タンブリーズをめぐっては当初、中国企業も買収を目指していたが、最終的にはアメリカ側の働きかけを受け、アメリカ企業に引き継がれたという。

ただし、トランプ氏は、グリーンランドを重視する最大の理由は安全保障上の観点にあると強調している。アメリカは希土類資源が不足しているわけではないが、グリーンランドは戦略的に重要だと述べた。また、採掘には高いコストがかかり、約25フィート(約7.62メートル)の氷層を掘削する必要があるため、容易な事業ではないとも語った。