中国の「五毛党」が米サイバー空間に浸透

2026/02/02 更新: 2026/02/02

政治評論家は、自らの発言を本気で信じているのか、それとも閲覧数を稼ぐために語っているのか。後者である手掛かりの一つは、その評論家が米国政府や米国の政党の方が中国共産党(中共)より悪いと主張する場合である。中には、米国に住み続けるより中国へ移住したいとさえ言う者もいる。しかし、これは単なるクリック稼ぎにすぎない。

中共は特異な存在である。その理由は数多いが(とりわけ臓器売買のために無辜の人々を殺害している点)、筆者は最近、その理由の一つに直接触れることになった。それが「五毛党」である。

筆者の運営するウェブサイト ClassicalPoets.org の表示速度が異常に遅くなり、オンライン広告の評価も低下していた。サイト管理者によれば、中国からの大量のアクセスがあったという。訪問者は通常歓迎すべき存在だが、これらの訪問は滞在時間がゼロ秒で、サイト評価を悪化させるだけだった。

筆者がニューヨークに拠点を置く非営利団体「Society of Classical Poets」では、中国の人権に関する詩も掲載しているが、全体の1%未満に過ぎない。それでも外国勢力がオンライン攻撃を仕掛けてきた。米国の政治勢力が他国や自国民に対して行ういかなる行為も、ここまでの思想統制や批判への過敏さには及ばないと筆者は述べる。

筆者は、米国人が中共の本質を十分に理解することが重要だとし、中共にとってインターネットは戦場であり、情報は武器であり、政治権力の維持が戦利品だと主張する。筆者のサイトは実際に攻撃を受けたが、米軍や米政府の関与は見られなかったとし、筆者はこの仮想戦争で米国が劣勢にあると述べる。

中共のオンライン上の脅威が最も顕著に現れている例が「五毛党」だと筆者は述べる。当初、「五毛党」とは、中国のインターネット工作員が一般市民を装い、中国共産党の主張を広める投稿1件につき五毛(0.5人民元)の報酬を受け取るとされたことに由来する。

中国江西省の宣伝部から流出したとされる投稿の記録には、「祖先の血で染まった赤旗を掲げ、中国共産党の道を揺るぎなく進もう」「中央政府がさらに多くの支援を提供してくれることを願う」といった内容が含まれていた。

これらの投稿は一見すると愛国的に見えるが、一党独裁の全体主義体制を支持するものであり、大量に発信されることで中国市民の実際の懸念を覆い隠していると筆者は述べる。ハーバード大学研究者による2017年の調査では、中共当局が年間4億件以上のこうしたソーシャルメディア投稿を作成していると推定されている。

流出した指示の一部には、中共が行っている情報戦の手法が示されていると筆者は述べる。可能な限り米国を批判の対象とし、台湾の存在を軽視すること。米国や他国の国際介入を引き合いに出し、西側民主主義が他国への侵略であり西側の価値観を押し付けていると説明すること。共産党以前の中国の苦難の歴史を用いて、党支持と愛国心を喚起すること。

中国の外交官が貿易交渉で穏やかな姿勢を見せる一方、こうした投稿は、米国や西側諸国が敵であるとの本音を示していると筆者は述べる。これらは中国国内向けであるが、「五毛党」は英語圏のソーシャルメディアにも進出し、中共の意図する方向へ世論を誘導しているとする。

エポックタイムズのペトル・スバブ記者とエバ・フー記者による昨年の調査報道では、中国関連の英語コンテンツにおいて、中国当局の影響がユーチューブ上で強まっている兆候が見られたとされる。「有償の扇動者がコメント欄を埋め尽くし、宣伝動画が草の根コンテンツに見せかけられ、影響力のある人物に現金や暗号資産が提供されている」と報告された。

2025年初頭、グーグルは、中国に関連する協調的影響工作の調査の一環として、1万5千以上のユーチューブチャンネルを削除したと発表した。

またスバブ記者は昨年、神韻芸術団に対する訴訟を支持するニューヨーク・タイムズの記事を拡散する数千の偽アカウントをX上で発見し、Xはこれらを削除した。

筆者は、これらの事例は米国がすでに中国との仮想戦争状態にあることを示していると述べ、米国人同士の対立がより重要な問題から目を逸らしていると主張する。「五毛党」はすでに門を破り内部に入り込んでいると筆者は警告する。

筆者は、中国共産党の情報戦に対抗するための指針として、米国を過度に批判せず、米国の国際社会への貢献を忘れないこと、台湾が中国との統一を望まない理由を理解すること、そして神韻の公演を鑑賞し「共産主義以前の中国」を称えることを提案している。

米ニューヨークで歴史と文学を教えている。あわせて、ニューヨークに本部を置くNPO「古典詩人協会」の会長兼編集長も務めている。
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