虚構で補う軍事力 AI情報戦の裏にある構造問題

2026/03/19 更新: 2026/03/19

米国とイランの対立が激化する中、情報戦と軍事力の実態との乖離が同時に浮き彫りになっている。一方でトランプ大統領は、イランが人工知能(AI)を用いて虚偽の戦果を作り出していると非難した。その一方で、欧州連合の最新報告は、中国共産党(中共)がAIを活用し、世界世論の操作を行っていると指摘している。分析によれば、これは単なる宣伝戦にとどまらず、中共体制内部の深層的問題とも関係している。

中東情勢の緊張が高まる中、情報戦も同時に激化している。トランプ大統領は、イランがAIによって偽の戦争映像を生成し、戦場で優位に立っているかのような印象を作り出していると批判した。

同時に、欧州対外行動庁(European External Action Service)によれば、中共もまたAIを大量に活用し、「外国情報操作・干渉」を行っていると報告されている。虚偽情報の拡散などを通じ、国際世論に影響を及ぼしているという。

専門家は、このような積極的な情報戦は、軍事能力と対外宣伝との間に大きな乖離がある場合に生じやすいと分析している。特に中共に関しては、軍需産業における長年の構造的腐敗問題が背景にあると指摘される。

台湾の国防安全研究院の研究員・沈明室氏は次のように述べている。

「中共は、科学技術や材料工学の面で能力が不足しているにもかかわらず、上層部を満足させるためのシステム開発を求められている。その結果、虚偽報告や誇張による予算申請が生じている。例えば、J-20戦闘機の墜落や性能不足といった問題があり、これを遡っていくと軍需部門や生産部門における一連の腐敗につながる」

さらに彼は、内部問題が外部に漏洩したり、外国の情報機関に把握された場合、上層部が大規模な調査を開始し、それが連鎖的な影響を引き起こすと説明する。こうした情報は、西側の情報機関が中国の新型兵器の実際の性能を把握するための重要な手がかりにもなっているという。

沈明室副研究員は「腐敗は連鎖するものであり、一つが明らかになると次々と露見する。米国や中央情報局(CIA)などの情報機関は、中国が開発している新型兵器の性能や欠点を把握しようとしており、過去の開発関係者に接触することになる」と述べている。

米国とイランの衝突における虚偽映像の問題、そして中共による軍需産業の問題隠蔽と世界的な情報操作は、いずれも同じ現実を示している。すなわち、人工知能の時代において、情報戦は軍事的な不足を補う手段となっているのである。同時にこれは、今後の国際競争においては武器装備のみならず、「真実」の語りを誰が主導するか、すなわち言説の主導権が重要となることを意味している。

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