天安門事件37周年前夜 六四記念館が破壊被害 中共による越境弾圧か

2026/06/02 更新: 2026/06/02

1989年6月4日の天安門事件、いわゆる「六四」の記念日を前に、ロサンゼルスの六四記念館が5月31日未明、何者かに侵入され、破壊被害を受けた。館内の一部展示品や設備にスプレーで塗料が吹き付けられ、地元警察が捜査を進めている。当日午前に予定されていた催しは安全確認後に午後へ延期されたが、会場は参加者で埋まった。

エルモンテ市警察は事件当時の映像を確認し、31日午前中に館内で鑑識作業を行った。警察の調べによると、午前0時10分ごろ、身元不明の人物が館内に侵入し、破壊行為に及んだ。

ロサンゼルスの六四記念館が5月31日未明、何者かに侵入され、破壊被害を受けた。警察が調査している(馬尚恩/大紀元)

被害を受けた展示品には、当時の抗議者が着用していたシャツ、当時の中国語・英語の新聞、書道作品、天安門事件をテーマにしたTシャツなどが含まれる。入口付近のカウンターや壁の一部、多くの展示ケースに黄褐色の塗料が吹き付けられ、壁の一部には「Americ」の文字も書かれていた。

館内の一部展示品や設備にスプレーで塗料が吹き付けられた(馬尚恩/大紀元)

六四記念館は6月1日に声明を発表し、館内の展示品や設備が深刻な被害を受けたと明らかにした。館側は犯行に及んだ人物と黒幕を強く非難し、法的責任を追及する姿勢を示した。また、複数の手がかりと不審点を把握しており、警察に全面的に協力し、事件の早期解明を望むとした。

館内の一部展示品や設備にスプレーで塗料が吹き付けられた(馬尚恩/大紀元)
館内の一部展示品や設備にスプレーで塗料が吹き付けられた(馬尚恩/大紀元)

1989年6月4日、中共は戦車と機関銃を用いて平和的に訴えていた学生や市民を虐殺した。この事件は世界に衝撃を与えた。あれから37年、「六四」は中国で最大の政治的タブーの一つであり続けている。一方、西側社会では広く知られており、毎年6月4日には世界各地で追悼行事が開かれ、犠牲者を悼むとともに中共の暴行を非難している。

相次ぐ妨害 中共による「越境弾圧」

六四記念日を前に、中共の関与が疑われる妨害事件が近年相次いでいる。

2023年と2024年には、南カリフォルニア州の自由彫刻公園にある「戦車男」の像が侵入者によって損壊された。2025年の六四記念日前には、公園内の複数の記念碑が破壊され、警備犬3匹が相次いで毒殺されるなど被害を受けた。

六四記念館は昨年、ニューヨークからロサンゼルスに移転した。今年も六四を悼む一連の行事を予定しており、事件当日の午前に開かれる予定だった「中国フォーラム」も、警察の初期調査が終わった後、午後に延期して開催された。

六四記念館の運営責任者、金岩さんは「自由と民主主義の国・アメリカに逃れてきたにもかかわらず、中共からの脅しを感じることになるとは思わなかった」と述べた。記念館は今回の事件を、中共による「越境弾圧」の典型例の一つとみており、経緯をFBIや米議会など関係機関に報告したという。

記念館は声明で、天安門事件記念日を前に発生した今回の事件について「明らかに威嚇・脅迫の意図があった」と指摘した。そのうえで「本館が標的となったことは、六四の記憶がいかに重要であるかを示している。さらに、六四記念館が存在する意義と価値を証明するものだ」と強調した。

六四記念館の館長である王丹氏は、Xで「弾圧はわれわれへの支持を広めるだけだ。中共の愚かさは、まったく理解しがたい」と投稿した。

各界から支援・連帯の声 「弾圧は支持を広めるだけ」

六四記念館には、すでに多くの励ましや支援のメッセージが寄せられている。ある支持者はすぐさま800ドルを寄付し、展示品の修復に充てるよう求めた。

当日の記念活動に参加した中国民主党連合本部の鄭存柱主席は、事件が起きた時期は非常に敏感だと指摘した。「誰もが分かっている。黒幕は共産党関係者であり、何らかの指令を受けて動いた人物に違いない」と述べた。

鄭氏によると、中共が記念日前に海外の反中共団体を攻撃するのは、その脅威が海外にも及ぶと誇示するためだという。これは中共による越境迫害の新たな形だと指摘した。

2021年7月、自由彫刻公園の「中共ウイルス(新型コロナウイルス)像」が焼き払われた事件をはじめ、一連の破壊事件を受け、複数の中共工作員や共犯者がアメリカで逮捕されてきた。しかし今回の事件について、鄭氏は「今なお横暴な姿勢を崩していない様子が見て取れる」と述べた。

鄭氏は、六四大虐殺は共産党の残酷な本質を直接的に暴露した事件だと述べた。そのため中共は事件を隠蔽し、あらゆる手段を使って若い世代が37年前の出来事を知るのを阻もうとしているという。

鄭氏によると、中国からアメリカに来た若者や、中国国内でネット検閲を回避して六四事件を知った若者の多くが「なぜ親や教師は、この事実を私たちに教えなかったのか」と怒りを示しているという。

王丹氏は「六四記念館は、こうした破壊や脅しで活動を止めることは絶対にない。各界の支援を力に、記念館をより良い場所にしていく」と述べた。

馬尚恩
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