中国共産党の国防動員 国民と財産をどう破壊し得るのか

2026/09/15 更新: 2026/09/15

論評

中国では、国防動員や出国禁止に関する法律・規定が大幅に改定され、重大な軍事作戦を遂行するために、民間の財産やデータを収用し、人員を動員する法的枠組みが整えられつつある。

新たな収用規定は中国人だけでなく、外国人にも適用される。中国からの資金流出を制限する既存の資本規制に加え、新たな法制度は中国人と海外との往来をさらに制限することになる。その一方で、残された経路を通じた資本逃避や人材流出を、かえって加速させる可能性もある。

9月15日に施行される出国禁止規定は、国家安全保障を理由にこれまで秘密裏に運用されてきた出国禁止措置を制度化し、その対象を拡大するものだ。中共当局はこれまでも、中国人だけでなく外国人に対しても出国禁止措置を講じてきた。対象には著名な企業経営者や管理職、ウイグル人などの少数民族も含まれる。

規定は、国外への移住によって中共に大きな損失をもたらす可能性がある人物にも適用され得る。たとえば、AI分野の革新的な人材などだ。

また、海外で中共当局が「犯罪行為」とみなす活動に関与した中国人が帰国した場合、出国禁止、あるいはそれ以上に厳しい措置を受ける可能性もある。台湾や香港の独立を支持する活動なども対象となり得る。

10月1日には、2010年制定の国防動員法を大幅に改定した法律も施行される。

改定法は、「県級以上」の当局が「国防動員」の計画と迅速な実施を目的として、発電所、水道施設、金融インフラ、工場、情報ネットワーク、データ、輸送手段など、ほぼあらゆる民間資産を収用できるとしている。

従来の法律にはすでに一時的な「徴用」の規定があったが、今回新たに「収用」に当たる文言が加わった。これは、一時的な使用ではなく、財産を恒久的に取得することを意味する可能性がある。

法律上は補償を行うとしているものの、中共は法律を選択的に執行してきた。

特に戦時下では、収用対象がアメリカや同盟国の国民・企業だった場合、中共が公正な補償を行うと信用すべきではない。

戦争が起きれば、中共当局が中国国内にあるアメリカや同盟国の資産を収用し、それをアメリカとの戦争に利用する可能性もある。このため、アメリカやその同盟国は対中投資を制限する法制度を強化すべきである。

さらに、中国が掲げる「発展利益」が、国防動員を発動し、財産の収用や徴兵を行う新たな法的根拠になり得る。

このため、中共に対抗するためのアメリカによる制裁、関税、輸出規制、その他の経済措置を、中共当局が戦争を正当化する理由として利用する可能性もある。

改定された国防法は、特殊な専門技能が必要な場合、子供や高齢者を含む中国人を広く徴集できるとしている。これは、ネットワーク分野の専門技能を持つ青少年にも影響する可能性がある。

同法は対象範囲が広く、高齢者や子供にまで及んでいる。このことは、中共に反対し、民主主義国家に永住する能力と意思を持つ中国人は、まだ行動できる今のうちに、できるだけ早く他国へ移住すべきであることを示している。

中共が国防動員の法的基盤を強化している背景には、アメリカとの大国間対立に加え、台湾、日本、インド、フィリピンなどをめぐる領土・安全保障上の緊張を念頭に、将来の戦争に備える狙いがある。

改定された法律や規定は、他国にも強いシグナルを送っている。

民主主義国家が自国の戦争準備を強化すれば、それがさらに中共側の軍備強化を促し、敵対関係が連鎖的に深まる可能性がある。中共が戦争への備えを進める以上、民主主義国家にもほとんど選択肢は残されていない。

インドのある評論家は、インドにも同様の法律や規定があると指摘した。

「しかし、中国による国防動員法の改定は、国民をあらゆる段階で関与させ、定期的に訓練を行うものであり、全体の状況をまったく異なる次元へと変える」

新たな法文が示すように、将来中国との戦争が起きた場合、それは総力戦となる可能性がある。大規模なサイバー戦が展開され、中国人が大規模に動員されるとともに、その財産も広範に徴用・収用される可能性がある。

中共当局は今回の改定について、批判する人々には「隠したいことがある」と主張し、変更自体も民主主義国家にある制度と同様の「通常の」法改正にすぎないと説明している。

しかし、これは誤った同一視である。中共は全体主義体制を敷き、台湾、日本、フィリピンなど、アメリカの民主主義的な同盟国やパートナーに対して攻撃的な軍事計画を進めている。

民主主義国家同士が戦争に至ることはまれであることが示されている。民主主義国家は独裁体制より平和的であり、自国民をよりよく扱う傾向がある。

中国の改定法が、ほぼ全国民を対象とする国防動員と、戦争のための民間財産の収用を想定していることは、この見方を裏付けるさらなる証拠である。

民主主義国家は、現在以上に中共を深刻に受け止めなければならない。

中共は、社会全体を動員する総力戦に備え、それを開始することも辞さない。そうなれば、中国人とその財産に甚大な被害が生じ、交戦双方で数百万人が死亡する可能性がある。

そのために中共は、アメリカ企業などが保有する資産を含め、中国国内の財産を収用する準備を進めている。

これは、アジアでの領土拡張と、世界規模での軍事・政治・経済的覇権を追求する中共の誤った政策の一環である。

中共は、次の大規模戦争に勝つためであれば、必要に応じて中国そのものを犠牲にすることさえ辞さない。たとえその試みに失敗し、甚大な代償を払うことになったとしてもだ。

アメリカは現実を直視し、金融投資や貿易、科学技術の進歩を通じて中共を支えることをやめるべきである。

中国人も同様だ。本当に民主主義を信じるのであれば、自らの行動で意思を示し、中国を離れるべきだ。

関連特集: オピニオン