中国 命に関わる欠陥疑惑 検証動画まで封殺

自社に不都合な情報は見せない? ファーウェイ・スマホの怪

2026/10/11 更新: 2026/10/11

中国で、ファーウェイ系高級車の安全性を告発する映像が公開され、ネット上で大炎上している。

ところが、その映像が中国のSNSで次々と削除され、さらに他社製スマホでは見られるのに、ファーウェイ製スマホでは再生できないという不可解な事態まで起きた。

ネット上では検閲や情報統制を疑う声が広がっている。

発端は10月8日、中国の自動車情報サイト「懂車帝」が公開した試験映像だ。ファーウェイと江淮汽車が共同開発した高級車「尊界V800」で急ブレーキ試験を繰り返したところ、3台すべてでブレーキペダルを支える部品が折れ、通常のブレーキが効かなくなった。

最上位モデルが約2400万円もする高級車で、しかも3台とも同じ場所が破損しており、設計上の問題も疑われている。

命に関わるブレーキが、強く踏んだだけで壊れる。ネット上では安全性への批判が殺到し、共同開発する江淮汽車の株価も急落した。

ところが翌9日、問題の映像が中国の主要SNSから次々と削除され、国営新華社の関連投稿まで消えた。

さらに、ファーウェイ製スマホでは問題の動画を再生できないとの報告が相次いだ。他社製スマホでは見られるのに、ファーウェイ製では「機能を順次公開中」と表示されたという。中国メディア「正在新聞」も、ファーウェイ製スマホの複数機種で同様の現象を実際に確認したと報じている。

 

中国の自動車情報サイト「懂車帝」によるファーウェイ系高級車「尊界V800」のブレーキ性能試験。ペダル部品の破損が確認され、検証動画はその後、中国のネット上から次々と削除された。(動画のスクリーンショット)

 

ネット上では、命に関わる欠陥が疑われているのに、なぜ危険を知らせる映像が消されるのかと怒りが噴出。車を直すより先に批判を封じるのか、事故で人が死んでも都合の悪い事実を隠すつもりなのかと、企業の姿勢や情報統制への不信が広がった。

さらに、台湾のヒット曲を替え歌にした、ファーウェイを痛烈に皮肉る「界的第七臓」まで登場。「事故が起きたらまず車のエンブレムを隠す」と歌い、公開からわずか6時間で7万件の「いいね」を集めた。

中国製EVの事故現場で、どこのメーカーの車か分かるエンブレムを真っ先に隠す様子を捉えた動画が、たびたびネット上に出回り、「事故が起きたらまずメーカー名を隠すのか」と反感を呼んでいる。こうしたメーカーへの不信感を皮肉った歌詞が、多くの人の共感を呼んだとみられる。

一方、ファーウェイ側は、スマホとアプリの互換性の問題だと説明している。問題の映像だけを意図的に遮断した証拠は確認されていない。

メーカー側はブレーキ関連部品の設計改善と、納車済み車両への無償改良を表明した。一方、動画が次々と削除された詳しい経緯は明らかになっていない。

 

(ファーウェイ製スマホで問題の動画が再生できない様子と、ネット上から次々と削除された高級車のブレーキ破損試験映像)

 

今回の騒動の背景には、ファーウェイに対する根深い不信感がある。中国政府との強い結びつきを持つ同社をめぐっては、問題を指摘する投稿が削除され、批判者のアカウントまで封鎖される事態が繰り返されてきた。人々が反発しているのは、製品の問題だけではない。批判する声まで封じ込められる、その理不尽さだ。

今年8月には、ファーウェイをからかう竹製玩具の動画が同社の通報を受けて削除され、投稿者のアカウントも次々と制限された。これをきっかけにネット上で抗議や皮肉が爆発し、「竹ゼミ革命」とまで呼ばれる騒動に発展した。

問題を指摘する声を消しても、人々の怒りまでは消せない。今回もまた、危険を知らせる映像が消えた。ファーウェイへの不信と反感は、こうして一つ、また一つと積み重なっていく。

 



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李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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