トイレに行きたい。それはわがままでも、お願いでもない。人間として当たり前の生理現象だ。
しかし、中国湖北省の小学校で、授業中にトイレへ行きたいと訴えた児童が教師に拒否され、我慢できずにお漏らしをしたという。
10月20日、父親がSNSに投稿した動画には、濡れたズボンを小さな体で懸命にはき直す男児の痛々しい姿が映っていた。まるで自分が悪いことでもしたかのように見えるその姿が、胸を締めつける。
父親が事情を尋ねると、男児は「おしっこしたいと言ったけど、先生が許してくれなかった」と答えた。
父親によると、息子の学校では1日7時間の授業のうち、休み時間に教室を出られるのは3回だけ。ほかの休み時間は教室で字を書くよう求められているという。
動画が広がると、「うちの子もトイレを禁止された」「トイレに行くと手をたたかれる」など、同じような経験をしたという保護者の声が相次いだ。
中国では以前から、休み時間も児童を教室から出さない「課間圈養(休み時間の囲い込み)」と呼ばれる学校管理が問題になっている。2023年には「小中学生にはトイレに行く時間すらない」という話題がSNSで大きな注目を集めた。
こうした厳しい制限のもと、トイレに行きたくならないよう、学校ではできるだけ水を飲まないという子供もいるとされる。トイレに行けないから、水を飲むことまで我慢する。本来、健康を守るはずの学校で、子供たちが自分の体に無理を強いなければならないとすれば、何とも痛ましい話だ。
そもそも、なぜ学校はそこまで子供の行動を制限するのだろうか。
学校側からは、子供が休み時間に遊んでけがをすると、一部の保護者から責任を厳しく追及されるため、自由に遊ばせることが難しいとの声も出ている。
しかし、事故を防ぐために子供を走らせないことと、トイレに行くことまで制限するのは、まったく別の話だ。
なお、今回の教師がトイレを拒否した理由や、学校側の詳しい説明は確認されていない。
トイレに行きたいと言えず、水を飲むことさえためらう。子供を守り、育てるはずの学校が、子供の最も基本的な生理現象さえ尊重できないとすれば、いったい何のための教育なのだろうか。
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