子どもが宿題を早く終え、間違いも減った。親なら、学力が伸びたとうれしくなるだろう。しかし、その答えを考えたのが子どもではなく、AIだったらどうだろうか。
中国で中高生約2万7千人を30カ月追跡したところ、AIを使う生徒は宿題の点数が上がる一方、試験の成績は下がっていた。研究は、ストックホルム大学と香港大学の研究者が共同で行い、欧州の経済研究機関CEPRが公表した。
AIを使い始めて半年後、宿題の点数は平均18%上昇。かかる時間も64分から約45分に短くなった。ところが、教科書などを見ずに解く試験の成績は平均20%下がった。
多くの生徒が、中国製AIの「豆包(ドウバオ)」や「DeepSeek」を利用していた。AI利用者の約8割は、短時間で宿題を終えながら、高い点数を取っていた。
研究チームは、こうした生徒が宿題の多くをAIに任せる「宿題の外注」をしていた可能性が高いとみている。
長く使うほど差は広がり、約2年後には、AIを使わない生徒より高校入試の得点が24%、大学入試が18%低くなった。
ただし、AIそのものが悪いわけではない。AIを使っても、以前と同じくらい宿題に時間をかけた生徒は、使わない生徒と試験成績に大きな差がなかった。
問題は、分からないところをAIに教えてもらうことではない。最初から答えを出してもらい、自分で考える時間までなくしてしまうことだ。
これは中国だけの話ではない。日本でも、子どもは簡単に生成AIを使える。
完成した宿題だけを見て安心するのではなく、「なぜそう考えたのか」「自分の言葉で説明できるか」を確かめる必要がある。
見栄えよく仕上がった宿題よりも、間違いながら自分で考えた時間のほうが、子どもの本当の力になる。中国で起きている変化は、日本の家庭や学校にとっても他人事ではない。
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