中国各地で賃金未払いへの抗議相次ぐ 建設業から教育現場まで拡大

2026/11/02 更新: 2026/11/02

中国経済の低迷が続く中、各地で未払い賃金の支払いなどを求める抗議活動が相次いでいる。建設業や製造業、観光業、教育分野など、さまざまな業種に広がっている。

記者は最近、未払いの工事代金の支払いを求めている山東省の請負業者、曹芳さん(仮名)に取材した。

曹さんは、中国の国有建設会社「中鉄十局」が山東省で進めていた建設プロジェクトで防水工事を請け負った。工事は2023年末に完了したが、今も工事代金のうち100万元が支払われていない。

曹さんは「済南に本社がある中鉄十局は、まだ私に100万元を払っていない。これは私たちが汗水流して稼いだお金だ。私たちにはもう、これしかない。食べるものにも困っている。家族には、がんで亡くなった年寄りもいる。それでも賃金を払ってくれない」と訴えた。

曹さんによると、問題の企業側は手続きを踏むよう求め、責任を逃れようとしたが、曹さんはこれを拒否した。また、波紋が広がることを恐れた企業側から、ネットへの投稿やライブ配信をしないよう警告されたという。

「私はただ、公正な対応を求め、自分たちの声を届けたいだけだ。私たちは盗みも強盗もしていない。工事代金の支払いを求めるのは、当然のことだ」

曹さんは続けた。

「私たちは汗水流して稼いだお金を返してほしいだけだ。何も間違ったことはしていない。彼らに追い詰められ、生活できなくなった庶民がどれほどいることか」

曹さんは、圧力や報復を受けることも恐れず、最後まで正当な権利を求めて闘う考えを示した。

「どんな苦労も疲れも、すべて自分たちで背負ってきた。もう怖いものはない。どんな仕打ちを受けようと、私は恐れない」

10月30日、記者が中鉄十局の済南本社に電話をかけたが、応答はなかった。

10月だけでも、中国各地で賃金や補償金の未払いに抗議する動きが相次ぎ、その様子がネット上で伝えられた。

10月29日、河南省平頂山市の尭山景勝地で、従業員が賃金未払いに抗議してストライキを行い、多くの観光客が入場できなくなったとする動画をネットユーザーが投稿した。

10月28日、遼寧省営口市大石橋市にある中建マグネシアれんが有限公司の多数の従業員が、市政府庁舎前に集まり、未払い賃金の支払いを要求した。現場には多数の警察官や特殊警察部隊が治安維持のために出動した。

10月26日、河北省唐山市遵化市では、公立学校の教員らが集団で市教育局の庁舎入口付近に集まり、未払い賃金の支払いを求めて抗議した。現場には多数の警察官が治安維持のために出動した。

10月21日、中国建築第二工程局が手がける山東省青島市黄島区の「海洋活力区」プロジェクトで、60万元以上の賃金が支払われていないとの指摘が上がった。これを受け、複数の労働者が建物の屋上に登り、未払い賃金の支払いを訴えた。

10月20日、広西チワン族自治区百色市田陽区の南華製紙有限公司では、従業員らが工場前に集まり、「私たちの権益を守れ」「補償金を払え」などと声を上げて抗議した。

同じ20日、湖南省長沙市では、中国聯通(チャイナ・ユニコム)の社屋前で、従業員らが「聯通」「金を返せ」「未払い賃金を払え」と書かれた赤いベストを着て抗議活動を行った。

10月12日、広東省肇慶市の電気めっき高度化環境保護産業パークでは、数百人の労働者と工場経営者が金利鎮政府の庁舎前に集まり、火災後の補償金や未払い賃金の問題を解決するよう求めた。

洪寧
中国語大紀元の記者。
関連特集: 中国社会問題