ちょっと見るつもりが、気づけば1時間、2時間……。スマホを手放せないのは、若者だけではない。中国では今、高齢者の「スマホ漬け」が問題になっている。
中国政府の調査によると、2024年のインターネット利用時間は1日平均5時間37分。18~59歳のネット利用者では7時間を超え、睡眠に次ぐほどの長さとなっている。
中国の大手インターネット調査会社によると、50歳以上のモバイルネット利用者は約3億5100万人。1日平均4時間以上をネットに費やしている。
特に高齢者を夢中にさせているのが、短編動画や短編ドラマだ。
中国メディアが紹介した62歳の男性は、スマホの利用時間が1日平均8時間27分、最長で10時間39分に達した。夜遅くまでドラマを見続け、目がつらくなってようやく眠ることもあるという。
深圳大学の研究でも、調査対象の高齢者201人のうち、約9割がほぼ毎日短編動画を見ていた。
なぜ、そこまで夢中になるのか。
その背景にあるのが、利用者の好みを分析し、興味を引く動画を次々と表示する「おすすめ機能」だ。見終わるとまた次の動画が流れ、やめるきっかけを失いやすい。
北京大学の胡泳教授は、動画配信サービスが利用者の時間だけでなく、感情や心理的エネルギーまで奪い合っていると指摘する。
これは日本にとっても他人事ではない。スマホは暮らしを便利にする一方、知らず知らずのうちに大切な時間を奪う存在にもなる。
自分の意思で動画を見ているつもりが、実は見続けるように仕向けられているのかもしれない。
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