「六宮の紛黛顔色もなし」昔の女性を彩った化粧品のお話
中国の化粧品による「美容の文化」は、かなり古い時代から始まっている。古代の人々も、顔を美しく見せることに力を入れていた様子が伺われるが、その力点は現代とあまり変わらず、顔の美白と眉の黒さにあったようだ
【漢詩の楽しみ】山居秋暝(さんきょしゅうめい)
詩に云う。人の気配もない奥山に、さっと降った雨が、いま上がった。そんな澄みきった夕暮れの天気は、ますます秋らしい。松の枝を通して照らす月明り。清らかに湧く泉は、石の上をさらさらと流れる。竹林の向こうに声がするのは、洗い物をする娘たちが帰っていくところ。水面の蓮が動くのは、漁民の小舟が下ってゆくから。そんな山住まいの秋の趣きの前にあっては、比べものにならぬ春の芳しい花など、枯れ散ってしまえ。もっとも、春の花が枯れても帰らなかったという、あの王孫なら、ここに留まるだろうけどね。