書道の奥深さ
中国の書道は古来、文字の気質と神韻を重んじてきました。文字は、一国の文化に関わるだけでなく、書人の性格、志向と思想を表します。「字は人なり、人は字なり、文は人なり、文は道を載せる」と、古代中国人が言いますが、それはつまり、字を書く前に身を処するべきであり、心を正しく持つこそ書がうまくなるということです。
人を傲慢にしない教育とは
晋王朝時代の著名な書道家である王羲之 (おう ぎし、303年-361年)には、7人の子供がいました。彼の息子たちの中で最も才能があったのが七男の王獻之(おう けんし、344年-386年)でした。
蘭亭の賢人 書聖・王羲之
歴史に名を残す人物の中でも、物書きはメッセージを明確に伝える人と言えるでしょう。紙にしたためられた思想や夢は、拭い去られることなく残されます。漢詩一行からでも、古(いにしえ)の作者の思想を読み取ることができます。
唐太宗、中国書道文化の功臣?
隋が滅んで間もなく、日本では聖徳太子が亡くなった4年後の629年、中国で史上で最も有名な皇帝の一人である唐太宗(タン・タイゾン)が即位した。太宗は清廉潔白な政治を行い、部下の才能に応じて採用したことにより、唐は「貞観の治」と呼ばれる中国の政治的理想時代を迎えた。