反日デモが拡大、中国政府が裏で慎重に操作

2005/04/17 更新: 2005/04/17

【大紀元4月15日】中国の反日ホームページやBBC掲示板には週末で、北京、広州、瀋陽等の都市で新たなデモを行う計画を詳しく載せている。その中、中国の中心地を象徴する天安門広場で、デモを行う呼びかけがあった。

4月17日の日中外相会談に控え、政府は緊張が高まる日中関係を緩めるために4月14日に民衆に対し始めて過激な行動をやめよう、冷静に対処しようと呼びかけた。一連のデモ騒動に対し中国政府は国内のマスコミの報道はほとんど許さず、裏で慎重に様子を監視していると見られる。

政府は騒動を黙認する本音

先週末、日本の歴史教科書問題と国連常任理事国入りに反対する、北京、広州などの都市で大規模な反日デモが行った。北京のデモ参加者は日本の大使館に投石し、窓ガラスなどを割った。上海では、日本人留学生数名が殴られ病院に運ばれた事件が起きた。

世界のマスコミはこうした大規模な反日デモを大きく取り上げ、日本政府は過去の歴史に対し正しく認識する必要があるが、デモの過激行動を黙認する中国政府の姿勢に疑問を持ち始めた。

ある専門家は最近「九評共産党(共産党についての九つの論評)」が大陸に広がり、中国の民衆は今までずっと隠されてきた中国共産党の残酷な本質と殺人の歴史に驚愕した。共産党とその関連組織から離脱する嵐が起き、大陸に拡大している。歴史を振り返ると同時に、中国共産党政権の正当性に疑問を持ち始めた」と話している。

中国共産党歴史の専門家で、有名な政治評論家である凌鋒氏は「共産党とその関連組織から離脱する事件に対し中国共産党は『九評共産党(共産党についての九つの論評)』に触れる勇気までも出てこない。言及すれば人民にその論評を読むことを勧めるようなものだからだ。こうした緊急事態で民衆の視点をどこかに逸らすことが迫られた。これが今回の反日デモの背景である」と分析している。

スイスの「タイムズ」という新聞では、中国政府が学生のデモ行動を黙認したが、国内のマスコミの報道を禁止することについて、「中国共産党がナショナリズムは“両刃の剣”であると熟知し、抗議デモには国内の貧富格差、深刻な失業問題、広がる官僚の腐敗などの問題に対する不満が入り混じると大変なことになるので、中国政府の思惑通りになるように裏で慎重にコントロールしていると分析したが、最後に現在の中国国内の不満が相当的なもので、デモは共産党を倒す大規模な民衆運動にいつ変わってもおかしくないとし、中国政府によるデモへのコントロールはまるで火遊びの危険が溢れるゲーム」と指摘した。

歴史教科書の歪曲問題

歴史教科書の歪曲問題について、世界のマスコミは、中国共産党が日本より遥かに共産党自身の歴史を歪曲したという見方もしている。マスコミは次のような事件を取り上げた。

中国大陸の歴史教科書では、共産党が1951年に当時独立したチベットに侵入したこと、1979年のベトナムへ侵略行為について一切触れていない。また、1950-1953年の朝鮮戦争への軍隊の派遣を一語で済ましている。

更に、中国の一般の若者は、毛沢東が起こした「文化大革命」によって何千万の中国人が亡くなった歴史をほとんど知らない。1989年に天安門事件で学生の正当行動を国家転覆暴動に歪曲して教えている。また、99年に「法輪功」という気功団体を弾圧するために、国内のマスコミをコントロールして全世界へ虚言を撒き散らした。今でも平気に行っている。

アメリカのAP通信社は日本の歴史を歪曲するのは、日本は恥辱を認めないとしたことに対し、中国共産党による歴史の歪曲は共産党の権力を維持するためだと説明している。

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