【大紀元日本9月19日】満州事変の発端となった柳条湖事件(1931年)から82年目の18日、事件が起きた遼寧省瀋陽市を含め、中国各地で記念式典が開かれた。一方、民間では反日デモなどの動きはなく、昨年のこの日に、125都市で過激な反日デモが行われた様子とは一変した。
18日午前9時18分、瀋陽市の「九・一八歴史博物館」前で3分間の警報が鳴らされ、記念式典が開かれた。国恥を忘れるまいとの意味が込められた警報は同時刻に、遼寧省のほかの13都市と吉林省長春市、河南省鄭州市などでも響いた。
メディア各社も同日、日本の侵略史を振り返り、歴史を忘れるなと国民に呼びかけた。8回のドキュメンタリーシリーズ『東北抗聯』もこの日から中央テレビ(CCTV)で放送が始まった。一部のテレビ局は午前9時18分に放送を中断し、「国恥忘れず、中華を振興せよ」とのテロップを流した。
一方、民間では目立った動きはない。尖閣諸島(中国名、釣魚島)の中国領有権を主張する「世界華人保釣(釣魚島防衛)連盟」の副会長・李義強氏は、米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に「大きな活動はほとんどなかった」と認め、その理由については「具体的に分からない」とコメントを避けた。
天津に住む「保釣」活動家の張立昆氏も「みんな(去年のこと)忘れたよ」と落胆している。「日本人よりも早く忘れている。滑稽だ」。張氏が活動は警察に抑え込まれたとRFAの取材でほのめかし、「愛国の者や反日の者、抗日の歴史の真実を求める者はすべて、抑え込まれた。彼らは成功したのだ」と語った。
中国では今年、19日から中秋の連休で、「みな、月餅を送ったりもらったりで忙しいんだ」と張氏は意気消沈していた。
(翻訳編集・張凛音)
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