米国に亡命した中国下級官吏、中共脱党を宣言

2007/03/25 更新: 2007/03/25

【大紀元日本3月25日】3月17日、ロサンゼルスで開催された中国社会民主党第2回代表大会において、中国大陸から海外に出てきたばかりのある若者がその場で中国共産党(中共)からの脱退を宣言し、同時に社会民主党への参加を表明し、注目を浴びた。

*党幹部と対立

青年張逢春(仮名)は、今年2月に米国に入った。渡米前は、中国南部で地元の共産党支部に勤めていた。20歳に入党し、党員としても、また党支部宣伝委員としても最年少。複数の役職に就いており、将来を嘱望されていた。

2006年8月のある日、ある老人が生活保護の申請に張氏のオフィスを訪れた。申請書を見ると、要件を満たしていた。張氏は担当者に申請を処理するよう依頼したが、生活保障の割り当てはすでに充足していると言われた。

党支部長が数日前に認めた5件の生活保護申請書類を精査すると、そのうち3件は要件を満たしていないことがわかったので、3件を除外し、新たに老人の申請を認めるよう担当者に依頼した。

その数日後に開かれた幹部会議で、張氏は支部長に対しこの件を取り上げ、「このようなことをしていいのでしょうか。私たち若い世代は、あなた方から何を学べというのですか」と糾弾した。

2ヶ月後、張氏は「組織を無視し、規律に欠ける」として、懲戒免職処分となった。

中共下級官吏は米国に亡命脱党を宣言

*深刻な結果

張氏の失職は、重大な反響を呼んだ。同僚の中には、張氏のことを愚か者とか、「なんだって、そんなことをしたんだ」と非難し、先輩からも「若気の至り」と揶揄された。

張氏の母親も彼の行動が理解できなかった。「お前の職場には百人以上も勤めているのに、なんでお前がこんなことをしなければならないのか。張氏は本紙記者に「こういうことは容認できない」と語った。

張氏は結婚しており、将来のことを考えると、突然のことにしばらくは動揺していたが、真相を語るために、何も悪いことはしていないとし、「もし、真相を語ることをができなければ、これから、将来、真相を話す者はだれもいなくなるだろう」と述べた。

ほどなく、内情を知る友人が張氏にすぐに国外へ逃げたほうがいいと警告した。張氏がそれほど事態は深刻なのかと尋ねると、その友人は「実に深刻な事態だ。できるだけ早く国外に出た方がいい」と注意を促した。

その後すぐに、海外に渡る機会が訪れ、出産する予定の妻に別れを言って、米国にやってきた。渡米後10日して、娘が生まれた。

*家族への心配

渡米以来、張氏は、家族のことが心配であると本紙記者に語った。一番残念なのは、妻と一緒にいられないことだ。今、妻や娘、両親のことが一層心配になったという。それは、中共がなんでもやりかねないことを彼がよく知っているからである。

下級官吏として、張氏は中共が人民をどのように統制するのかよくわかっている。人民の行動や心をコントロールできるだけでなく、人民を情報提供者(密告者)にもするからである。

張氏は、7年以上も前、中共が最初に法輪功を弾圧した時、彼の上司は、法輪功の修煉を禁じる文書を出したのを記憶している。その命令に従い、法輪功の修煉を続けているかどうか、6000軒以上も戸別に訪問したという。また、近隣同士互いを監視し、法輪功を修煉するものがいたら速やかに報告することも確かめたという。

*中共体制には未来がない

中共を脱党して、自由を感じているという。だれもが、中共の汚職腐敗を嫌がっているという。

張氏が見聞したり、体験したりしたことから、中共の汚職・腐敗は深刻であるとし、結果的に、そのような政党には未来がないという。不満を述べることは勇気が要り、代償も払わなければならないが、それでも、自分は正しい選択をしたという。

*脱党運動は人々の善心の覚醒

現在、大紀元時報のウエブサイトで、2000万近くの人々が、中共やその関連組織からの脱退を宣言している。全世界中共脱党支援センターの高大維代表によると、多くの国々で、2000万人中共脱党を支援する大規模な活動が展開されようとしているという。

張氏の脱党は天象の反映であると考える高代表は、「中共が滅ぶのは天命」という。また、張氏の亡命と脱党は、中共脱退の潮流の証明であるとした。

さらに、高代表は、この大規模な脱党運動の重大性は、その脱党数にあるのではなく、さらに重要なのは、人々の善心の覚醒であるとした。

*脱党運動を支援

張氏はまた、2000万人中共脱党を支援するためにロサンゼルス集会に出席することに決めたと語り、これらの勇気ある人々に敬意を表し、未だに中共につく人々に明るい未来を迎えるために、一刻も早く脱党を呼びかけたいとした。