【大紀元日本9月15日】中国の労働問題で企業の社会的責任を求める学生と研究者の団体SACOMは、9月12日に、ディズニーランドへ商品を提供する製造元が、中国労働者を搾取していると指摘し、依頼先のディズニーランド社に対して、問題解決を呼びかけた。
英BBCによると、SACOMは香港ディズニーランドがオープンして2周年記念に際し、「2005~2007年ディズニーランド社の中国内陸供給先の労働条件調査報告」を発表し、中国大陸にある多くのディズニーグッツの供給先が、企業の社会責任を顧みずに、ディズニーランドの生産規則および中国労働法を違法したため、多くの労働者が高い代償を払うことをもたらしたと指摘したという。
報告の中で、先ずはディズニー関連商品を供給している6社の労働条件を見直し、その内の1社は今年1月末にディズニー社からの発注が中止されたことで倒産した。残りの5社の内、1社のみ、これまで何度も就労中の事故が発生したため、安全性が極めて低い老朽化した機械を取替えただけで、殆どの供給製造先は改善がみられず、特に賃金、労働時間、社会保険、住居環境などにおいて、深刻な問題を抱えていると指摘した。
報告によると、深セン市龍崗区浩威玩具有限公司(Haowei Toys)は約800人の地方労働者を雇用しているが、労働者に支払う賃金は時給2・5元(約37円)で、地元において法定時給の最低限の62・5%しか達していないという。しかし、1ヶ月の労働時間が361・5時間にも達して、7日間休息日はなく、一般の労働時間174時間の2倍以上であると指摘した。
報告はさらに、浩威玩具有限公司は長期にわたり、労働者の残業賃金の給付が延滞し、労働災害、医療、年金などの社会保険を控え、生産コストを抑えたと明らかにした。
SACOMは、「ディズニーランド社は自社商品の製造権を委ねた供給先に対する監察が不足していることから、労働者が長年にわたり搾取されてしまった。我々は、ディズニーランド社に対して、企業の透明度および監督責任を全面的に向上させ、労働者の合法かつ合理的権益の保障ができるよう呼びかける」と示した。
これに対して、ディズニーランド社は、SACOMからの指摘を真摯に受け止めて、徹底的に調査を行うと明らかにした。ディズニーランド社からは、浩威玩具有限公司が違法行為を行ったことは内部調査で分かったと認め、これらの問題を適切に処理することを示した。
SACOMは、企業の不正行為に反対する香港の学生と研究者の団体。自らの調査によって、海外グローバル企業の中国での製品製造時の労働条件を分析し、条件に満たない外資企業に対して、中国労働法律法規に遵守し、企業の社会責任を負うよう求めている。
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