【大紀元日本6月4日】四川大地震の募金活動が中国国内盛んに行われ中、米国大手紙ウォールストリート・ジャーナルは、中国独特の募金事情を報じた。
同紙は5月23日、マクドナルドや、ウォールマートなどの世界大手企業の現地法人が中国人の集中非難を受けていたことを挙げ、「これらの企業の義援金額が人々の期待を大きく下回ったためである」と報じた。
また、不動産開発業者の「萬科企業股份有限公司」の王石・社長も非難の的として、同報道に挙げられた。
中国国内では有名な実業家である王石・社長だが、同社は地震後200万元(約3000万円)の義援金を拠出すると公表した。それから、同社長には非難が殺到、ブログには2万以上のコメントが寄せられ、慈善事業には出し惜しみしているなどと責められた。同報道によると、ある匿名者は「私は王社長を非常に軽蔑する。王社長に1億元(約15億円)以上の募金を強く要求」と書き込んだ。また、多くのネット利用者は同社の株の狼狽売り(株価を下げる売り)や、その開発不動産の不買運動などを呼びかけたりしていたという。
その後、同社は、今後3年から5年の間に、被災者の安置と現地の復興建設に1億元(約15億円)を拠出すると発表し、事態が沈静化した。
「民族の英雄」と讃えられ、NBAで活躍するバスケット選手の姚明(ヨーミン)氏も、200万元(約3000万円)を被災地に寄付すると表明したが、ネットでは、「同氏が2005年の米国のハリケーン カトリーナの時に、100万ドル(約1億円)を寄付した」との情報が流れ、愛国心が足りないなどと非難を受けた。最後、そのマネージャが「四川大地震への募金額がずっと多い」と事情説明する羽目になった。
マクドナルドも200万元(約3000万円)を寄付するとしたが、出し惜しみしていると言われ難から逃れなかった。5月21日、四川省の南充市のとあるマクドナルドの店前で、市民が抗議を行い、「南充市から出て行け、中国から出て行け」などの横断幕が掲げられた。同日、同社は新たに1千万元(約1億5千万円)の義援金を拠出すると発表した。
同じく、300万元(約4500万円)の義援金を出したウォールマート中国支社も非難されている。「2005年の米国のハリケーン カトリーナの際に、200万ドルを寄付したのに対して、中国国民への感情が薄すぎる」が大まかな理由だった。それに対して、同社の広報は、現金による支援は自社の救済活動の一環に過ぎず、これからは専門分野の経験を生かして被災地を支援していくと説明した。
そのような状況の中、5月23日中国商務省は100万元以上を拠出した289社の外資系企業を公表した。一方、ネットサイトでは、一部の中国国民からは、義援金の額を判断の基準にしてはならないとの声が上がり、「1元であろうと、1億元であろうと、金額を問わずに人々の暖かい気持ちを表している」との意見も出されている。
中国問題の専門家は、中国商務省が外資系企業の支援金リストを公表するやり方に疑問を呈し、「中国人は、幼少期から中国共産党文化の洗脳教育を受け続けてきたため、その意識形態は国際社会の一般常識から著しくかけ離れている。今の中国社会では、拝金主義が横行し、金ですべてを計るという社会風習が非常に根強い。今回の募金問題はその一端を現したに過ぎない」などと分析した。
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